集学的治療を施行した男性進行副乳癌の1例
症例は76歳,男性.40年前から右腋窩皮下腫瘤を自覚していた.2010年5月に腫瘤が急速に増大,潰瘍を形成した.同部の生検で浸潤性乳管癌の診断であり,男性副乳癌の疑いで当科紹介となった.CTで同側腋窩および縦隔リンパ節腫大を認めた.他臓器からの転移を疑う所見はなかった.2010年6月に右腋窩腫瘍部切除および,腋窩リンパ節郭清,肩甲皮弁による再建を施行した.病理組織では固有乳腺と非連続性の正常乳腺組織を有する悪性所見を確認した.免疫染色ではER(-),PgR(-),HER2(3+)であった.術後化学療法中の2011年10月に右肺に結節影が出現し,肺部分切除を行った.病理診断では転移性乳癌であった...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 7; pp. 1582 - 1587 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2015
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.76.1582 |
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Summary: | 症例は76歳,男性.40年前から右腋窩皮下腫瘤を自覚していた.2010年5月に腫瘤が急速に増大,潰瘍を形成した.同部の生検で浸潤性乳管癌の診断であり,男性副乳癌の疑いで当科紹介となった.CTで同側腋窩および縦隔リンパ節腫大を認めた.他臓器からの転移を疑う所見はなかった.2010年6月に右腋窩腫瘍部切除および,腋窩リンパ節郭清,肩甲皮弁による再建を施行した.病理組織では固有乳腺と非連続性の正常乳腺組織を有する悪性所見を確認した.免疫染色ではER(-),PgR(-),HER2(3+)であった.術後化学療法中の2011年10月に右肺に結節影が出現し,肺部分切除を行った.病理診断では転移性乳癌であった.2013年7月に多発肺転移が出現し,現在化学療法を継続している.術後4年5カ月経過したが,再建術の施行により術前と同様のActivity of daily living(ADL)を維持できている. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.76.1582 |