嚥下障害の外科的治療

嚥下はヒトが生命活動を行う上で必要であるが,加齢,脳血管障害,神経筋疾患,頭頸部癌などの術後といった様々な原因により嚥下障害を生じる。嚥下障害をきたした患者に対して,口腔ケアによる肺炎予防とともに嚥下リハビリテーションなどの保存的治療が行われるが,保存的治療では十分な改善が得られないことがある。その場合,安全な経口摂取を行うために音声機能を温存した嚥下機能改善手術や,音声を犠牲にした誤嚥防止術が行われる。嚥下障害に対する手術加療には様々な術式が報告されているが,嚥下障害をきたしている病態を理解し,また患者背景や希望に合わせて適切な術式を選択し,患者のQOL改善を目指す必要がある。 本稿では,嚥...

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Published in杏林医学会雑誌 Vol. 53; no. 2; pp. 61 - 65
Main Author 宮本, 真
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 杏林医学会 30.06.2022
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ISSN0368-5829
1349-886X
DOI10.11434/kyorinmed.53.61

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Summary:嚥下はヒトが生命活動を行う上で必要であるが,加齢,脳血管障害,神経筋疾患,頭頸部癌などの術後といった様々な原因により嚥下障害を生じる。嚥下障害をきたした患者に対して,口腔ケアによる肺炎予防とともに嚥下リハビリテーションなどの保存的治療が行われるが,保存的治療では十分な改善が得られないことがある。その場合,安全な経口摂取を行うために音声機能を温存した嚥下機能改善手術や,音声を犠牲にした誤嚥防止術が行われる。嚥下障害に対する手術加療には様々な術式が報告されているが,嚥下障害をきたしている病態を理解し,また患者背景や希望に合わせて適切な術式を選択し,患者のQOL改善を目指す必要がある。 本稿では,嚥下障害患者に対する嚥下機能改善手術と誤嚥防止術について,症例を提示し言及した。
ISSN:0368-5829
1349-886X
DOI:10.11434/kyorinmed.53.61