Chronic expanding hematoma再発に対してnegative pressure wound therapyが有用であった1例

症例は83歳,男性.右下葉肺癌に対して胸腔鏡補助下右下葉切除+ND1b施行.術後CT検査で右胸腔内に被包化した胸水が出現し,3年間で緩徐に増大した.胸水細胞診で悪性所見を認めず,Chronic expanding hematoma(CEH)と診断し,胸郭成形術(第5~10肋骨切除)を施行した.術後5ヵ月の造影CTで右側胸部皮下に14×10 cmの液体貯留を認め,CEHの再発と診断した.OK-432による癒着術を行うも改善を認めず,開窓術を施行した.開窓術後にNegative pressure wound therapy(NPWT)を9週間施行した.創部は上皮化を得られ,開窓術後1年1ヵ月現在,...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 37; no. 1; pp. 50 - 56
Main Authors 境澤, 隆夫, 砥石, 政幸, 中村, 大輔, 吾妻, 寛之, 西村, 秀紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.01.2023
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.37.50

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Summary:症例は83歳,男性.右下葉肺癌に対して胸腔鏡補助下右下葉切除+ND1b施行.術後CT検査で右胸腔内に被包化した胸水が出現し,3年間で緩徐に増大した.胸水細胞診で悪性所見を認めず,Chronic expanding hematoma(CEH)と診断し,胸郭成形術(第5~10肋骨切除)を施行した.術後5ヵ月の造影CTで右側胸部皮下に14×10 cmの液体貯留を認め,CEHの再発と診断した.OK-432による癒着術を行うも改善を認めず,開窓術を施行した.開窓術後にNegative pressure wound therapy(NPWT)を9週間施行した.創部は上皮化を得られ,開窓術後1年1ヵ月現在,CEH再々発なく経過している.CEHは稀な病態であるが,その治療方針に難渋することも多い.今回CEH再発症例に対してNPWTが奏功した症例を経験したため文献的考察を加え報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.37.50