早期胃癌術後再発を疑った腹腔内デスモイド腫瘍の1例
デスモイド腫瘍は特異的な画像所見に乏しく,診断に難渋する例も多い.症例は45歳,男性.M領域の25mm大の早期胃癌に対し腹腔鏡補助下幽門側胃切除,D1+リンパ節郭清,R-Y再建を施行した.術後診断は胃癌,M,Ant,adenocarcinoma,por and sig>tub2,pT1b1,ly2,v0,N2(3/29),M0,R0-pStage II Aであり,術後補助化学療法としてS-1療法を8コース施行した.術後3.5年のCTで挙上空腸盲端近傍に15mm大の腫瘤を認め,腹膜播種を疑ったが遡及的に見ると術後2.5年のCTでも同部位に5mm大の腫瘤が確認できた.緩徐な発育であることから,腹膜...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 81; no. 3; pp. 583 - 587 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2020
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.81.583 |
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Summary: | デスモイド腫瘍は特異的な画像所見に乏しく,診断に難渋する例も多い.症例は45歳,男性.M領域の25mm大の早期胃癌に対し腹腔鏡補助下幽門側胃切除,D1+リンパ節郭清,R-Y再建を施行した.術後診断は胃癌,M,Ant,adenocarcinoma,por and sig>tub2,pT1b1,ly2,v0,N2(3/29),M0,R0-pStage II Aであり,術後補助化学療法としてS-1療法を8コース施行した.術後3.5年のCTで挙上空腸盲端近傍に15mm大の腫瘤を認め,腹膜播種を疑ったが遡及的に見ると術後2.5年のCTでも同部位に5mm大の腫瘤が確認できた.緩徐な発育であることから,腹膜播種再発以外の可能性も念頭に置き開腹腫瘤切除,審査腹腔鏡を施行した.腫瘤は大網に被覆されていたが周辺臓器への浸潤は無く切除可能であった.病理組織学的には腹腔内デスモイド腫瘍の診断であった.術後20カ月(2019年8月)無再発生存中である. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.81.583 |