高度の血管内溶血を併発したClostridium perfringens septicemiaの一救命例
症例は,73歳,女性。性器出血,発熱,血圧低下を来し当院へ搬送された。赤色尿を呈し,生化学検査上,総ビリルビン(total bilirubin, T-Bil)7.6 mg/dl,AST 77 IU/l,LDH 589 IU/lと上昇を認め溶血を疑った。膣からの膿の鏡検,腹部CT所見より,Clostridium属による子宮ガス壊疽と診断した。ショックに対する初期治療および子宮摘出術を施行し,その後vasopressin投与,ステロイド補充,人工呼吸管理および血液浄化などの集中治療を行った。第3病日にはT-Bil 30.9 mg/dl,AST 2,751 IU/l,LDH 5,898 IU/lと高...
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Published in | 日本集中治療医学会雑誌 Vol. 20; no. 1; pp. 38 - 42 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本集中治療医学会
01.01.2013
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ISSN | 1340-7988 1882-966X |
DOI | 10.3918/jsicm.20.38 |
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Summary: | 症例は,73歳,女性。性器出血,発熱,血圧低下を来し当院へ搬送された。赤色尿を呈し,生化学検査上,総ビリルビン(total bilirubin, T-Bil)7.6 mg/dl,AST 77 IU/l,LDH 589 IU/lと上昇を認め溶血を疑った。膣からの膿の鏡検,腹部CT所見より,Clostridium属による子宮ガス壊疽と診断した。ショックに対する初期治療および子宮摘出術を施行し,その後vasopressin投与,ステロイド補充,人工呼吸管理および血液浄化などの集中治療を行った。第3病日にはT-Bil 30.9 mg/dl,AST 2,751 IU/l,LDH 5,898 IU/lと高度の溶血を認めたが,以後全身状態は改善し,ICU退室となった。血液・膿培養からはC. perfringensが検出された。溶血は本菌による菌血症を伴った敗血症(septicemia)に特徴的だが,併発した場合の致死率は非常に高い。救命には早期診断と集中治療が不可欠である。 |
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ISSN: | 1340-7988 1882-966X |
DOI: | 10.3918/jsicm.20.38 |