抗がん治療を受ける患者の大切に思う領域と主観的QOL─緩和ケア外来でのSEIQoL-DW横断的評価

【緒言】SEIQoL-DWは半構造化面接により患者が大切に思う5つの領域に焦点をあてて主観的QOLを測定する方法である.本研究はSEIQoL-DW(以下面接)を用いて抗がん治療患者の大切な領域と主観的QOLについて調べるのを目的とした.【方法】緩和ケア外来において痛みがSTAS-Jで1以下などの適格基準を満たす患者を対象に連続的に面接を実施し,抗がん治療患者と緩和ケアのみの患者群に分け集計した.【結果】抗がん治療群35名,緩和ケア群33名に面接を実施した.抗がん治療群で頻出した大切な領域は,家族94%,がん治療69%,健康43%,友人43%,趣味活動40%であった.抗がん治療群の主観的QOL値...

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Published inPalliative Care Research Vol. 11; no. 2; pp. 182 - 188
Main Authors 坂下, 美彦, 秋月, 晶子, 藤里, 正視, 藤川, 文子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2016
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ISSN1880-5302
DOI10.2512/jspm.11.182

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Summary:【緒言】SEIQoL-DWは半構造化面接により患者が大切に思う5つの領域に焦点をあてて主観的QOLを測定する方法である.本研究はSEIQoL-DW(以下面接)を用いて抗がん治療患者の大切な領域と主観的QOLについて調べるのを目的とした.【方法】緩和ケア外来において痛みがSTAS-Jで1以下などの適格基準を満たす患者を対象に連続的に面接を実施し,抗がん治療患者と緩和ケアのみの患者群に分け集計した.【結果】抗がん治療群35名,緩和ケア群33名に面接を実施した.抗がん治療群で頻出した大切な領域は,家族94%,がん治療69%,健康43%,友人43%,趣味活動40%であった.抗がん治療群の主観的QOL値は平均61.5で緩和ケア群74.4に比べ有意に低かった.【結論】「家族」はQOLに大きく寄与する大切な領域である.一方で「がん治療」を重要視することは主観的QOL低下に繋がる可能性がある.
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.11.182