緩和医療臨床実習の必修化において地域のホスピスが果たした役割─カリキュラム編成から実習評価までの実践報告

【目的】緩和ケア病棟実習に対する学生の評価・知識習得の検証により,地域のホスピスにおける実習の意義を検討した.【方法】実習では,回診・面談への同席,ケアの見学など,患者との生きた係わりを重視した.また,チーム医療を体感するために認定看護師・認定薬剤師による対話型個別レクチャーや多職種合同カンファレンスへの参加も取り入れた.学生へのアンケート,実習前後での知識確認テストを行った.【結果】実習全体への満足度は100%で,95%の学生が当実習を後輩に勧めたいと答えた.項目ごとの満足度は,「初診面談への同席」は100%,「緩和ケアチーム回診」は74%に留まった.全レクチャーで理解できたと答えた学生の割...

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Published inPalliative Care Research Vol. 12; no. 2; pp. 911 - 917
Main Authors 田所, 学, 山中, 恵梨子, 渡邉, 啓太, 松下, 久美子, 宮崎, 享, 高橋, 美穂子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2017
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ISSN1880-5302
DOI10.2512/jspm.12.911

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Summary:【目的】緩和ケア病棟実習に対する学生の評価・知識習得の検証により,地域のホスピスにおける実習の意義を検討した.【方法】実習では,回診・面談への同席,ケアの見学など,患者との生きた係わりを重視した.また,チーム医療を体感するために認定看護師・認定薬剤師による対話型個別レクチャーや多職種合同カンファレンスへの参加も取り入れた.学生へのアンケート,実習前後での知識確認テストを行った.【結果】実習全体への満足度は100%で,95%の学生が当実習を後輩に勧めたいと答えた.項目ごとの満足度は,「初診面談への同席」は100%,「緩和ケアチーム回診」は74%に留まった.全レクチャーで理解できたと答えた学生の割合は95%以上で,知識確認テストの正答率は実習前後で51%から85%へ有意に上昇した.【結語】本実習に対する学生の理解度,満足度は高く,地域のホスピスは緩和ケアの臨床実習を担いうることが示唆された.
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.12.911