医薬品添付文書中の薬物動態パラメータの研究(3) ジェネリック医薬品の生物学的同等性試験における薬物動態パラメータの試験間および試験内変動の解析

「緒言」近年, わが国は高齢化が急速に進み, 国民医療費は増加の一途をたどっている. そのため保険医療体制の立て直しが急務であり, 薬剤費の適正な使用に関しても緊急の課題となっていることから, その一環としてジェネリック医薬品(GE)の使用が勧奨されている. そのような背景から, GEの品質再評価をもとにした「医薬品品質情報集」(日本版オレンジブック)の発行, 一般名(成分名)の記載を可能とした処方せん書式の変更, GEの使用に伴う診療報酬の改定, さらには医師の指示のない場合には患者が先発品とGEの選択をできるようにした処方せん様式の再変更等, さまざまな政策・方策1) (http://ww...

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Published in医療薬学 Vol. 37; no. 9; pp. 543 - 550
Main Authors 金本, 理沙, 荻原, 琢男, 小玉, 菜央, 崔, 吉道, 岡田, 裕子, 叶, 隆, 森本, かおり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2011
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.37.543

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Summary:「緒言」近年, わが国は高齢化が急速に進み, 国民医療費は増加の一途をたどっている. そのため保険医療体制の立て直しが急務であり, 薬剤費の適正な使用に関しても緊急の課題となっていることから, その一環としてジェネリック医薬品(GE)の使用が勧奨されている. そのような背景から, GEの品質再評価をもとにした「医薬品品質情報集」(日本版オレンジブック)の発行, 一般名(成分名)の記載を可能とした処方せん書式の変更, GEの使用に伴う診療報酬の改定, さらには医師の指示のない場合には患者が先発品とGEの選択をできるようにした処方せん様式の再変更等, さまざまな政策・方策1) (http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1015-1.html)を実施しているものの, 必ずしもその使用が順調に進んでいるとはいえない. 一方, 「ジェネリック医薬品の使用に対する薬剤師および患者の意識調査」2)によれば, 病院薬剤師, 薬局薬剤師ともに, 回答者の8割以上がGEに対して同等性試験の不備や情報不足, 安定供給, 副作用の問題からその使用に「不安がある」と答えており, 現場レベルではGEの使用を促進しようとする意識は高いものの, 未だに根強い不信感があるのも事実である.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.37.543