腹腔鏡下肝切除を行った分類不能型肝細胞腺腫の1例

患者は16歳,女性.経口避妊薬やステロイドの内服歴はなく,特記すべき既往歴は認めない.上腹部痛を認めたため前医を受診し,腹部超音波検査にて肝S5に3cm大の低エコー腫瘤を指摘されたが,本人の希望で経過観察となっていた.1年後の同検査にて5cm大まで増大しており当科紹介受診となった.造影CTにて肝細胞腺腫と診断され悪性転化の可能性が否定できないため,腹腔鏡下部分肝切除術を施行した.病理学的診断は分類不能型の肝細胞腺腫であり,現在術後2年が経過しているが無再発生存中である.非常に稀な分類不能型の肝細胞腺腫の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 2; pp. 399 - 403
Main Authors 山根, 秘我, 吉田, 俊彦, 松本, 拓, 千堂, 宏義, 藤野, 泰宏, 富永, 正寛, 梶本, 和義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2019
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Summary:患者は16歳,女性.経口避妊薬やステロイドの内服歴はなく,特記すべき既往歴は認めない.上腹部痛を認めたため前医を受診し,腹部超音波検査にて肝S5に3cm大の低エコー腫瘤を指摘されたが,本人の希望で経過観察となっていた.1年後の同検査にて5cm大まで増大しており当科紹介受診となった.造影CTにて肝細胞腺腫と診断され悪性転化の可能性が否定できないため,腹腔鏡下部分肝切除術を施行した.病理学的診断は分類不能型の肝細胞腺腫であり,現在術後2年が経過しているが無再発生存中である.非常に稀な分類不能型の肝細胞腺腫の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.80.399