心室中隔欠損症の自然閉鎖が原因と考えられる右冠尖変形による大動脈弁閉鎖不全症に対するRoss手術の1例

44歳男性.小学生時に心雑音を聴取されたが,精査は行われなかった.胸痛,動悸を主訴に当院を受診し,経胸壁心エコーで左室機能低下と重症大動脈弁閉鎖不全症と診断されたため,手術加療を行った.Resuspension法を用いた大動脈弁形成を試みたが,心室中隔欠損症の自然閉鎖のためRCC弁輪部が変形しており形成は困難と判断し,Ross手術に移行した.自己肺動脈弁を採取し大動脈弁位に縫着し,右室流出路はステントレス生体弁とウシ心のう膜パッチロールにて再建した.術後は問題なく経過し,良好な血行動態が得られ退院した....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 53; no. 3; pp. 119 - 122
Main Authors 三里, 卓也, 大北, 裕, 吉谷, 信幸, 林, 太郎, 林, 裕之, 安, 健太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.05.2024
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.53.119

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Summary:44歳男性.小学生時に心雑音を聴取されたが,精査は行われなかった.胸痛,動悸を主訴に当院を受診し,経胸壁心エコーで左室機能低下と重症大動脈弁閉鎖不全症と診断されたため,手術加療を行った.Resuspension法を用いた大動脈弁形成を試みたが,心室中隔欠損症の自然閉鎖のためRCC弁輪部が変形しており形成は困難と判断し,Ross手術に移行した.自己肺動脈弁を採取し大動脈弁位に縫着し,右室流出路はステントレス生体弁とウシ心のう膜パッチロールにて再建した.術後は問題なく経過し,良好な血行動態が得られ退院した.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.53.119