紹介患者からみる顎関節症の鑑別疾患に関する実態調査

顎関節症の疾患概念は十分に理解していても鑑別診断に苦慮する症例がある。本研究では医師・歯科医師が顎関節症の疾患概念をどのようにして捉えているか, また, どのような疾患との鑑別に苦慮しているかの実態を調査した。2000年から2004年までの5年間に埼玉医科大学病院歯科口腔外科を受診した患者12, 518名, および2004年に東京医科歯科大学歯学部附属病院口腔外科外来を受診した患者4, 964名の合計17, 482名のなかから, 紹介医が診断名を顎関節症と明記した紹介状を持参した患者を対象として, その疾患が実際に顎関節症であったか, それがどのような疾患であったか検討した。顎関節症の紹介患者...

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Published inJournal of the Japanese Society for the Temporomandibular Joint Vol. 19; no. 2; pp. 185 - 189
Main Authors 櫻井, 仁亨, 依田, 哲也, 安部, 貴大, 田口, 茂和, 坂本, 一郎, 今井, 英樹, 小村, 健, 小林, 明男, 須田, 里香, 今井, 謙一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 2007
The Japanese Society for Temporomandibular Joint
Subjects
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ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu1989.19.185

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Summary:顎関節症の疾患概念は十分に理解していても鑑別診断に苦慮する症例がある。本研究では医師・歯科医師が顎関節症の疾患概念をどのようにして捉えているか, また, どのような疾患との鑑別に苦慮しているかの実態を調査した。2000年から2004年までの5年間に埼玉医科大学病院歯科口腔外科を受診した患者12, 518名, および2004年に東京医科歯科大学歯学部附属病院口腔外科外来を受診した患者4, 964名の合計17, 482名のなかから, 紹介医が診断名を顎関節症と明記した紹介状を持参した患者を対象として, その疾患が実際に顎関節症であったか, それがどのような疾患であったか検討した。顎関節症の紹介患者は埼玉医科大学で225名, 東京医科歯科大学で134名, 合計359名であった。このうち顎関節症以外であった患者は39名で, そのうち, 外傷性顎関節炎や顎関節脱臼などの顎関節症以外の顎関節疾患は8例, 歯および歯周疾患や精神神経学的疾患, あるいは身体表現性障害などの顎関節疾患以外の疾患と確定診断された症例は31例であった。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu1989.19.185