COVID-19による人工呼吸管理後の喉頭・気管合併症

「はじめに」2019年末に発生したCOVID-19パンデミックは, 世界中の医療システムに多大な影響を与えた. 特に重症患者の増加に伴い, 人工呼吸管理を要する症例が急増し, それに付随する合併症も注目されるようになった. その中でも, 喉頭気管狭窄は長期的な影響を及ぼす重要な合併症の一つであり, 2021年には欧州喉頭科学会からも注意喚起がなされている. 我が国でも, オミクロン株への変異がみられるまでの2020年から2021年にかけて, COVID-19による人工呼吸管理症例が急増したことは記憶に新しく, 耳鼻咽喉科領域では全国で軒並み手術件数が減少傾向であったのにもかかわらず, COVI...

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Published in喉頭 Vol. 36; no. 2; pp. 170 - 174
Main Authors 川崎, 正義, 水吉, 朋美, 木村, 百合香, 平林, 瑛子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.12.2024
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx.36.170

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Summary:「はじめに」2019年末に発生したCOVID-19パンデミックは, 世界中の医療システムに多大な影響を与えた. 特に重症患者の増加に伴い, 人工呼吸管理を要する症例が急増し, それに付随する合併症も注目されるようになった. その中でも, 喉頭気管狭窄は長期的な影響を及ぼす重要な合併症の一つであり, 2021年には欧州喉頭科学会からも注意喚起がなされている. 我が国でも, オミクロン株への変異がみられるまでの2020年から2021年にかけて, COVID-19による人工呼吸管理症例が急増したことは記憶に新しく, 耳鼻咽喉科領域では全国で軒並み手術件数が減少傾向であったのにもかかわらず, COVID-19の長期人工呼吸を目的として気管切開術だけはコロナ前より有意に件数が増加していた. その後, 2021年末にB.1.1.529系統変異株とその亜系統(オミクロン株)が発生し, これらが支配的な状況となった.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.36.170