下部消化管穿孔による急性汎発性腹膜炎症例におけるNPWTの有用性
下部消化管穿孔による急性汎発性腹膜炎症例では,術後手術部位感染症 (SSI) の発生率が高い。当院では 2011 年 4 月より一期的な皮膚縫合閉鎖を行わず,局所陰圧閉鎖療法 (NPWT) を行い,術後早期に遅延一次縫合を行っている。 2009 年 4 月から 2012 年 3 月までに当院で手術した急性汎発性腹膜炎の 23 例を対象とし,術後より NPWT を施行した群 (A群) と,皮膚を一次縫合した非 NPWT 群 (B群) に分けて検討した。表層 SSI は A 群では認めず (0%),B 群では 7 例に SSI を認めた (43.8%)。 A 群の平均在院日数は 28.0 日,B...
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Published in | 創傷 Vol. 4; no. 2; pp. 96 - 101 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本創傷外科学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 1884-880X |
DOI | 10.11310/jsswc.4.96 |
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Summary: | 下部消化管穿孔による急性汎発性腹膜炎症例では,術後手術部位感染症 (SSI) の発生率が高い。当院では 2011 年 4 月より一期的な皮膚縫合閉鎖を行わず,局所陰圧閉鎖療法 (NPWT) を行い,術後早期に遅延一次縫合を行っている。 2009 年 4 月から 2012 年 3 月までに当院で手術した急性汎発性腹膜炎の 23 例を対象とし,術後より NPWT を施行した群 (A群) と,皮膚を一次縫合した非 NPWT 群 (B群) に分けて検討した。表層 SSI は A 群では認めず (0%),B 群では 7 例に SSI を認めた (43.8%)。 A 群の平均在院日数は 28.0 日,B 群は 46.1 日と,B 群に長い傾向があった。 A 群と B 群で SSI 後による創離開した症例の比較では,A 群の創傷治癒までの平均日数は 24 日,B 群は 56 日で,A 群が有意に短かった (p=0.04)。 NPWT による創傷管理は,一次縫合後に SSI を合併した症例の創傷治癒と比べ良好な治療効果を認めたため報告する。 |
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ISSN: | 1884-880X |
DOI: | 10.11310/jsswc.4.96 |