高齢者の重心動揺 ピーク面積-周波数スペクトルによる検討

「緒言」高齢社会を迎え, 平均寿命が延びてきているが, 重要なことは, 質の良い日常生活を送ることができる健康寿命を延ばすことである. このために必要なことの一つは, 直立・歩行などの基本的動作を行う機能の維持を図ることである. 高齢者の平衡機能を的確に把握し, 平衡機能の低下を予防することが求められる. 直立時の平衡機能を被験者に侵襲を加えることなく, 簡単に検査する方法の一つとして重心動揺検査が普及し, 本論文の考察の項の記述の如く, 高齢者の重心動揺につき種々の方法での検査成績が報告されているが, さらに高齢者の直立機能低下の特性, 成立機序を把握できる解析方法を開発し, 平衡訓練と合わ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inEquilibrium Research Vol. 73; no. 3; pp. 127 - 138
Main Authors 青木, 光広, 時田, 喬, 宮田, 英雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 01.06.2014
日本めまい平衡医学会
Online AccessGet full text
ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.73.127

Cover

More Information
Summary:「緒言」高齢社会を迎え, 平均寿命が延びてきているが, 重要なことは, 質の良い日常生活を送ることができる健康寿命を延ばすことである. このために必要なことの一つは, 直立・歩行などの基本的動作を行う機能の維持を図ることである. 高齢者の平衡機能を的確に把握し, 平衡機能の低下を予防することが求められる. 直立時の平衡機能を被験者に侵襲を加えることなく, 簡単に検査する方法の一つとして重心動揺検査が普及し, 本論文の考察の項の記述の如く, 高齢者の重心動揺につき種々の方法での検査成績が報告されているが, さらに高齢者の直立機能低下の特性, 成立機序を把握できる解析方法を開発し, 平衡訓練と合わせ高齢者の質の良い生活維持に貢献する必要がある. 我々は, 重心動揺の周波数解析法として, ピーク面積-周波数スペクトルを検査する方法を開発し, 健常者のスペクトルはべき乗分布を示すことより, 健常成人のスペクトルの基本型を明らかにし, 臨床例の重心動揺を定量的に評価できることを報告した.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.73.127