口蓋扁桃摘出術を要したカワエビによる咽頭異物症例

症例25歳女性.カワエビの唐揚げを食べた直後から左咽頭痛,嚥下痛を自覚した.他院で異物摘出を試みられたが摘出困難であり,当科を受診した.視診と喉頭内視鏡下では異物を認めなかったが,触診で左口蓋扁桃粘膜下に異物を触知し,単純CTで左口蓋扁桃内部に長径10mmの線状の高吸収域を認めた.異物が埋没していると診断し,口蓋扁桃摘出術を施行し左口蓋扁桃内にカワエビの額角を認めた.カワエビの額角には基部から先端方向にむかう鋸歯状の突起が釣り針の「かえし」のように存在するため,摘出しようと牽引しても強い抵抗が生じ異物のみの摘出が困難だったと考えられた....

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 35; no. 1; pp. 89 - 94
Main Authors 篠原, 宏, 清水, 啓成, 髙田, 由香, 中野, 光花, 松本, 祐磨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2022
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.35.89

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Summary:症例25歳女性.カワエビの唐揚げを食べた直後から左咽頭痛,嚥下痛を自覚した.他院で異物摘出を試みられたが摘出困難であり,当科を受診した.視診と喉頭内視鏡下では異物を認めなかったが,触診で左口蓋扁桃粘膜下に異物を触知し,単純CTで左口蓋扁桃内部に長径10mmの線状の高吸収域を認めた.異物が埋没していると診断し,口蓋扁桃摘出術を施行し左口蓋扁桃内にカワエビの額角を認めた.カワエビの額角には基部から先端方向にむかう鋸歯状の突起が釣り針の「かえし」のように存在するため,摘出しようと牽引しても強い抵抗が生じ異物のみの摘出が困難だったと考えられた.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.35.89