過敏性肺炎パターンを呈したメサラジンによる薬剤性肺炎をクライオ生検で診断した1例
背景.メサラジンによる薬剤性肺炎の報告の多くは浸潤影の画像所見,好酸球性肺炎や器質化肺炎の臨床病型を示すとされており,過敏性肺炎様の所見での報告は稀である.症例.72歳男性.潰瘍性大腸炎に対してメサラジン,プレドニゾロン療法で治療していた.潰瘍性大腸炎は改善していたが,プレドニゾロンを10 mgに漸減後38℃台の発熱があり,胸部CTで両側びまん性に小葉中心性粒状影,小葉間隔壁の肥厚を認めた.気管支肺胞洗浄液でリンパ球数の増加を認め,tube-wedging methodを用いた経気管支クライオ肺生検(transbronchial lung cryobiopsy:TBLC)の検体で小葉中心部から...
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Published in | 気管支学 Vol. 47; no. 3; pp. 219 - 224 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本呼吸器内視鏡学会
25.05.2025
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Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.47.3_219 |
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Summary: | 背景.メサラジンによる薬剤性肺炎の報告の多くは浸潤影の画像所見,好酸球性肺炎や器質化肺炎の臨床病型を示すとされており,過敏性肺炎様の所見での報告は稀である.症例.72歳男性.潰瘍性大腸炎に対してメサラジン,プレドニゾロン療法で治療していた.潰瘍性大腸炎は改善していたが,プレドニゾロンを10 mgに漸減後38℃台の発熱があり,胸部CTで両側びまん性に小葉中心性粒状影,小葉間隔壁の肥厚を認めた.気管支肺胞洗浄液でリンパ球数の増加を認め,tube-wedging methodを用いた経気管支クライオ肺生検(transbronchial lung cryobiopsy:TBLC)の検体で小葉中心部から肺胞領域にリンパ球の浸潤を認め,免疫応答による肺胞障害が疑われた.メサラジンによる薬剤性肺炎を疑い,メサラジン内服を中止し,プレドニゾロンのみ同用量で継続した.1週間後には症状および陰影の改善を認めたため同剤による薬剤性肺炎と診断した.結論.過敏性肺炎パターンの陰影を来したメサラジンによる薬剤性肺炎をTBLCにより診断した1例を経験したため報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.47.3_219 |