右室流出路起源の期外収縮をトリガーとする多形性心室頻拍が見られた潜在性type2-QT延長症候群の 1例

症例は失神が主訴の57歳の女性. 心電図上QT/QTc間隔は正常で (410/430ms) , 頻発する左脚ブロック型・下方軸の心室期外収縮 (PVC) を認めた. 各種画像検査で器質的心疾患は認めなかった. ホルター心電図で, 総心拍数の25%を占める単形性PVCと同PVCをトリガーとする非持続性多形性心室頻拍 (PVT) を認めた (この時のQTcは400 ms) . しかし, 心臓電気生理検査時にはPVCは稀発で, プログラム刺激では心室性不整脈は誘発されなかった. 右室流出路 (RVOT) の前壁中隔で良好なペースマッピングが得られ計 5回の高周波通電を施行した. その後, RVOT起...

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Published inShinzo Vol. 45; no. SUPPL.3; p. S3_135
Main Authors 佐藤, 光希, 八木原, 伸江, 和泉, 大輔, 古嶋, 博司, 渡部, 裕, 阿部, 晃, 飯嶋, 賢一, 池主, 雅臣, 南野, 徹, 園田, 桂子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2013
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.45.S3_135

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Summary:症例は失神が主訴の57歳の女性. 心電図上QT/QTc間隔は正常で (410/430ms) , 頻発する左脚ブロック型・下方軸の心室期外収縮 (PVC) を認めた. 各種画像検査で器質的心疾患は認めなかった. ホルター心電図で, 総心拍数の25%を占める単形性PVCと同PVCをトリガーとする非持続性多形性心室頻拍 (PVT) を認めた (この時のQTcは400 ms) . しかし, 心臓電気生理検査時にはPVCは稀発で, プログラム刺激では心室性不整脈は誘発されなかった. 右室流出路 (RVOT) の前壁中隔で良好なペースマッピングが得られ計 5回の高周波通電を施行した. その後, RVOT起源のPVCおよびPVTは認めなくなった. 母親が後天性QT延長症候群による心室細動の既往を持つことより, 本例にエピネフリン負荷試験を施行した. T波は低電位の二相性に変化しQTcは655msに延長した. 遺伝子検査で KCNH2に点変異が検出され, 潜在性type2-QT延長症候群と診断した. RVOT起源のPVCとPVTを合併する潜在性QT延長症候群は非常に稀であり, 病態機序の考察を加えて報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.S3_135