再発予防にジソピラミドの内服が有効であったJ波症候群のVF stormの1例
症例は45歳, 男性. 家族歴として父が42歳時に睡眠中に突然死している. 巣状分節性糸球体硬化症の診断で当院腎臓内科に入院中, 心室細動 (VF) による心肺停止状態となった. 電気的除細動で一度は洞調律へ復したがVF stormとなった. 再発予防目的でリドカイン, アミオダロン, ニフェカラント, プロプラノロールを投与し計12度の電気的除細動を施行. 最終的に血行動態を維持するためPCPS (percutaneous cardiopulmonary support), IABP (intra-aortic balloon pumping) による補助循環を行った. この際の心電図ではJ...
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Published in | Shinzo Vol. 46; no. SUPPL.3; pp. S3_125 - S3_130 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2014
Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.46.S3_125 |
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Summary: | 症例は45歳, 男性. 家族歴として父が42歳時に睡眠中に突然死している. 巣状分節性糸球体硬化症の診断で当院腎臓内科に入院中, 心室細動 (VF) による心肺停止状態となった. 電気的除細動で一度は洞調律へ復したがVF stormとなった. 再発予防目的でリドカイン, アミオダロン, ニフェカラント, プロプラノロールを投与し計12度の電気的除細動を施行. 最終的に血行動態を維持するためPCPS (percutaneous cardiopulmonary support), IABP (intra-aortic balloon pumping) による補助循環を行った. この際の心電図ではJ波の著明な上昇を認めた. 補助循環で血行動態を維持し, その後電気的除細動を繰り返すも, 無効であった. その後アミオダロン持続投与後, 発症24時間後に電気的除細動を行い, 洞調律を維持できた. その後順調にPCPSから離脱し, 46病日に植込み型除細動器 (ICD) 植込み術を行い, 66病日に自宅退院し, 以後は後遺症なく社会復帰している. VFの再発予防に対しては初回入院時からジソピラミド150mg/日を導入し, 以後約4年間VFの再発はなく, また心電図でもJ波の消失が得られている. 補助循環を要した早期再分極症候群のVF storm症例にジソピラミドが長期的な再発予防に有効であった症例を経験したため報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.S3_125 |