育児支援に関する研究の文献レビュー : 保健師による育児支援における現状と課題

目的:文献レビューにより保健師による育児支援についての現状と課題を明らかにした.方法:医学中央雑誌,保健婦雑誌と保健師ジャーナルを用いて検索した.結果:保健師による育児支援はさまざまな対象に数多く行われ,主に保健師ジャーナルによって報告されていたが,研究論文として報告されているものは少なかった.育児支援の内容について具体的に十分に明らかにされ,かつ母親や保健師による評価まで詳細に述べられているとは言い難かった.医療職による育児支援の課題として,地域における継続支援への取り組みが挙げられていた.夫の育児支援は母親の育児状況と母親自身の意識を高めるとされていたが,保健師から夫へ何らかの働きかけを行...

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Published in日本地域看護学会誌 Vol. 10; no. 2; pp. 14 - 19
Main Authors 河原, 加代子, 笠井, 真紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 2008
Japan Academy of Community Health Nursing
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ISSN1346-9657
2432-0803
DOI10.20746/jachn.10.2_14

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Summary:目的:文献レビューにより保健師による育児支援についての現状と課題を明らかにした.方法:医学中央雑誌,保健婦雑誌と保健師ジャーナルを用いて検索した.結果:保健師による育児支援はさまざまな対象に数多く行われ,主に保健師ジャーナルによって報告されていたが,研究論文として報告されているものは少なかった.育児支援の内容について具体的に十分に明らかにされ,かつ母親や保健師による評価まで詳細に述べられているとは言い難かった.医療職による育児支援の課題として,地域における継続支援への取り組みが挙げられていた.夫の育児支援は母親の育児状況と母親自身の意識を高めるとされていたが,保健師から夫へ何らかの働きかけを行う取り組みや保健師による育児支援に結びつけられているものはみあたらなかった.考察:保健師の育児支援の必要性が示唆されたが,保健師にとっての育児支援は日常的に数多くの機会を利用し実施されており,その支援方法もさまざまであるため捉えにくいものであることが考えられた.今後の課題として,育児支援の事例検討の結果から母親へのアセスメント指標や支援体制を構築するための研究の必要性,スクリーニングシステムの評価,検討を行うことや母親への事後措置の方法の確立,夫の育児支援状況のアセスメント要因やその後のフォローアップ方法を検討することが考えられた.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.10.2_14