薬剤起因性老年症候群を訴える薬局外来患者を抽出するための積極的介入を伴う構造化インタビュー技法を用いた簡易スクリーニング法

薬剤起因性老年症候群を訴える患者を抽出する目的で,206名の薬局外来患者に啓発資材を用いてポリファーマシーと代表的な薬剤起因性老年症候群(眠気,気分がしずむ,物忘れ,食欲低下,ふらつき・めまい,おしっこが出にくい,便秘)について説明し,患者の学びにつながる積極的介入を行った.その後,老年症候群の自覚症状があるか,その症状は薬と関係していると思うか否かの意識を構造化インタビュー形式で尋ねた.データを解析すると,薬剤起因性老年症候群の有訴率は7.8%で,薬剤数に比例して増加していた.特に,薬剤5種類以上が有訴率増加に関連していた.本研究により,薬剤5種類以上の多剤服用に関連して,薬剤起因性老年症候...

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Published in薬局薬学 Vol. 16; no. 1; pp. 41 - 53
Main Authors 一ノ瀬, 悠樹, 四反田, 耕司, 内手, 昇, 庄源, 民湖, 橋本, 昌子, 坂井, 賛瑛美, 安田, 圭子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本薬局学会 2024
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ISSN1884-3077
2434-3242
DOI10.32160/yakkyoku.nt.2023-0015

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Summary:薬剤起因性老年症候群を訴える患者を抽出する目的で,206名の薬局外来患者に啓発資材を用いてポリファーマシーと代表的な薬剤起因性老年症候群(眠気,気分がしずむ,物忘れ,食欲低下,ふらつき・めまい,おしっこが出にくい,便秘)について説明し,患者の学びにつながる積極的介入を行った.その後,老年症候群の自覚症状があるか,その症状は薬と関係していると思うか否かの意識を構造化インタビュー形式で尋ねた.データを解析すると,薬剤起因性老年症候群の有訴率は7.8%で,薬剤数に比例して増加していた.特に,薬剤5種類以上が有訴率増加に関連していた.本研究により,薬剤5種類以上の多剤服用に関連して,薬剤起因性老年症候群を訴える患者を抽出できることが示された.本研究は,薬剤起因性老年症候群を訴える薬局外来患者を抽出するための積極的介入を伴う構造化インタビュー技法を用いた簡易スクリーニング法を提案するものである.
ISSN:1884-3077
2434-3242
DOI:10.32160/yakkyoku.nt.2023-0015