7 価肺炎球菌結合型ワクチンの接種成績 ―初回接種および追加接種の免疫原性と安全性

わが国の乳幼児における 7 価肺炎球菌結合型ワクチン (以後 7vPnCV と略す) 接種の免疫原性と安全性を検討することを目的として,生後 2~6 カ月の乳幼児を対象として第 2 相臨床試験を国内 30 施設の多施設共同オープン試験として実施した.2004 年 9 月 22 日から 2006 年 9 月 16 日の間に 181 例が登録され,被験者選択基準に適合した解析対象集団は 167 例であった.抗体濃度値 0.5μg/mL を上回った被験者の割合は初回接種で 94.6% 以上,追加接種で 96% 以上であった.7vPnCV 接種との因果関係の否定できない重篤な有害事象は発熱と蕁麻疹の各...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 85; no. 1; pp. 42 - 48
Main Authors 富樫, 武弘, 丹後, 俊郎, Gruber, William, 岩田, 敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.01.2011
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi.85.42

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Summary:わが国の乳幼児における 7 価肺炎球菌結合型ワクチン (以後 7vPnCV と略す) 接種の免疫原性と安全性を検討することを目的として,生後 2~6 カ月の乳幼児を対象として第 2 相臨床試験を国内 30 施設の多施設共同オープン試験として実施した.2004 年 9 月 22 日から 2006 年 9 月 16 日の間に 181 例が登録され,被験者選択基準に適合した解析対象集団は 167 例であった.抗体濃度値 0.5μg/mL を上回った被験者の割合は初回接種で 94.6% 以上,追加接種で 96% 以上であった.7vPnCV 接種との因果関係の否定できない重篤な有害事象は発熱と蕁麻疹の各 1 件であった.主な副反応は接種局所の発赤,腫脹又は硬結,疼痛や発熱,易刺激性,傾眠状態であった.いずれの副反応も一過性であり全例回復した.以上の成績は海外臨床試験成績とも遜色のないものであり,わが国の乳幼児においても 7vPnCV の肺炎球菌感染症に対する有用性が示唆された.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi.85.42