独居男性高齢者のための地域交流促進をめざしたグループワークにおけるプロセス(地域看護活動報告)

目的:本研究の目的は独居男性高齢者における「一人で暮らす地域でのおつきあい」をテーマとしたグループワーク(以下GWとする)のプロセスを明らかにすることである.方法:独居男性高齢者22人と地域住民12人にGWを行った.GWでは老人会への参加が少ない独居男性高齢者の太郎さんに世話人が年会費を回収する場面を設定し,『太郎さんの反応』『世話人の関わり方』『独居高齢者が住みやすい地域づくり』について話し合い,その内容を逐語化し質的分析を行った.結果:『太郎さんの反応』では「まずは老人会に行く」「状況によっては老人会に行く」と「老人会には行きにくい」「閉じこもっていたい」,『世話人の関わり方』では「積極的...

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Published in日本地域看護学会誌 Vol. 12; no. 2; pp. 45 - 50
Main Authors 藤田, 倶子, 河野, あゆみ, 田髙, 悦子, 国井, 由生子, 丸尾, 智実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 2010
Japan Academy of Community Health Nursing
Subjects
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ISSN1346-9657
2432-0803
DOI10.20746/jachn.12.2_45

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Summary:目的:本研究の目的は独居男性高齢者における「一人で暮らす地域でのおつきあい」をテーマとしたグループワーク(以下GWとする)のプロセスを明らかにすることである.方法:独居男性高齢者22人と地域住民12人にGWを行った.GWでは老人会への参加が少ない独居男性高齢者の太郎さんに世話人が年会費を回収する場面を設定し,『太郎さんの反応』『世話人の関わり方』『独居高齢者が住みやすい地域づくり』について話し合い,その内容を逐語化し質的分析を行った.結果:『太郎さんの反応』では「まずは老人会に行く」「状況によっては老人会に行く」と「老人会には行きにくい」「閉じこもっていたい」,『世話人の関わり方』では「積極的に関わらない」と「太郎さんのニーズをつかむ」「太郎さんと信頼関係がある人をつくる」「太郎さんの主体性を尊重する」「誘い方を工夫する」「積極的に誘う」という意見がみられた.『独居高齢者が住みやすい地域づくり』では「高齢者にも主体性が必要である」「高齢者の集まる場をつくる」「高齢者や住民に情報提供を行う」「閉じこもり高齢者とのつながりをもつ」「地域交流の基盤をつくる」がみられた.考察:GWにより,参加者は独居男性高齢者が住みやすい地域づくりについて建設的な提案を考えることが示された.結論:目的志向の高いGWを行うことにより高齢者や地域住民の地域づくりへの関心を高めるプロセスが明らかになった.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.12.2_45