潜在性のHV blockによる心停止を生じた若年女性の1例
症例は30代女性. 生来健康であり特記すべき家族歴は認めなかったが, 仕事中突然意識を消失し救急要請された. 初期波形でPEAと判断され心肺蘇生されつつ当院搬送となった. 到着時は心拍再開していたが高度徐脈であり一時ペーシングを施行し, その後心筋症・心筋炎などを鑑別に挙げ各種精査を行った. 各種検査で特記すべき異常は認めなかったが, 電気生理学的検査でピルジカイニド負荷によって完全房室ブロックが誘発されたため, 潜在性の完全房室ブロック (HV block) と診断のうえペースメーカー植え込みを行った. 以降は退院後も症状なく経過した. 発作性房室ブロックは若年者にも認められる病態でありペー...
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Published in | Shinzo Vol. 47; no. SUPPL.1; p. S1_143 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2015
Japan Heart Foundation |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.47.S1_143 |
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Summary: | 症例は30代女性. 生来健康であり特記すべき家族歴は認めなかったが, 仕事中突然意識を消失し救急要請された. 初期波形でPEAと判断され心肺蘇生されつつ当院搬送となった. 到着時は心拍再開していたが高度徐脈であり一時ペーシングを施行し, その後心筋症・心筋炎などを鑑別に挙げ各種精査を行った. 各種検査で特記すべき異常は認めなかったが, 電気生理学的検査でピルジカイニド負荷によって完全房室ブロックが誘発されたため, 潜在性の完全房室ブロック (HV block) と診断のうえペースメーカー植え込みを行った. 以降は退院後も症状なく経過した. 発作性房室ブロックは若年者にも認められる病態でありペースメーカー植え込みにて失神を完全に予防可能とされる. しかし房室ブロックはサルコイドーシスなど心筋症の初期症状として生じている場合もあり, 今後も定期的なフォローアップを行い, 治療可能な病態を見逃すことがないよう注意する必要がある. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.47.S1_143 |