Brugada症候群におけるRR間隔とQT間隔の関係 ホルター心電図による心室再分極の検討
【目的】致死性不整脈を引き起こすBrugada症候群は心室再分極過程の異常が指摘されており, 本症候群における心室再分極の異常をRR間隔とQT間隔の関係から検討した.【方法】Brugada症候群の17名 (Brugada群: 全例男性, 51±15歳) と健常者の22名 (健常者群: 全例男性, 58±11歳) を対象とした.ホルター心電図から得られた波形のRR間隔とQT間隔を自動計測した.得られたRR間隔とQT間隔の1次回帰直線を求めて, 両群間で比較した.【結果】 (1) 傾き: Brugada群0.109±0.024は, 健常者群0.139±0.039に比し有意に低かった. (2) 相関...
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Published in | 心電図 Vol. 23; no. 1; pp. 67 - 74 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
25.01.2003
日本心電学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.23.67 |
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Summary: | 【目的】致死性不整脈を引き起こすBrugada症候群は心室再分極過程の異常が指摘されており, 本症候群における心室再分極の異常をRR間隔とQT間隔の関係から検討した.【方法】Brugada症候群の17名 (Brugada群: 全例男性, 51±15歳) と健常者の22名 (健常者群: 全例男性, 58±11歳) を対象とした.ホルター心電図から得られた波形のRR間隔とQT間隔を自動計測した.得られたRR間隔とQT間隔の1次回帰直線を求めて, 両群間で比較した.【結果】 (1) 傾き: Brugada群0.109±0.024は, 健常者群0.139±0.039に比し有意に低かった. (2) 相関係数: Brugada群が0.79±0.09, 健常者群が0.83±0.10と, 両群ともに良好な相関を示した. (3) Brugada群と健常者群のRR間隔, QT間隔に有意差はなかった.【総括】Brugada群のQT/RR関係の傾きは, 健常者群に比し有意な低値を示した.これはBrugada症候群における徐脈時のQT間隔延長の程度が軽度であるという心室再分極の特異な異常を示唆していると考えられた. |
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ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.23.67 |