臓器移植後の抗体関連型拒絶反応治療に対する免疫グロブリン製剤の実態調査

「I. はじめに」2010年に改正臓器移植法が施行となり, 移植数も著しく増加し, また, 免疫抑制剤などの開発や周術期の管理により移植成績が向上した. 臓器移植は臓器不全の根治的治療法として確立されてものになったと言える. 一方で, 拒絶反応などにより移植された臓器を失ってしまう機会に少なからず直面する. 移植された臓器を長期間にわたり生着させるには, この拒絶反応をいかに抑えるかということが, 極めて重要であると考えられている. 拒絶反応は発症機序の違いにより, T細胞に関連した細胞性拒絶反応 (以下, TCMR) および抗体関連型拒絶反応 (以下, AMR) の2つに分けられる. このう...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in移植 Vol. 58; no. 4; pp. 381 - 388
Main Authors 江川, 裕人, 中川, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
日本移植学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「I. はじめに」2010年に改正臓器移植法が施行となり, 移植数も著しく増加し, また, 免疫抑制剤などの開発や周術期の管理により移植成績が向上した. 臓器移植は臓器不全の根治的治療法として確立されてものになったと言える. 一方で, 拒絶反応などにより移植された臓器を失ってしまう機会に少なからず直面する. 移植された臓器を長期間にわたり生着させるには, この拒絶反応をいかに抑えるかということが, 極めて重要であると考えられている. 拒絶反応は発症機序の違いにより, T細胞に関連した細胞性拒絶反応 (以下, TCMR) および抗体関連型拒絶反応 (以下, AMR) の2つに分けられる. このうちTCMRは, 数々の強力な免疫抑制剤の開発により激減し, ほぼ克服されたと言える.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.4_381