地域虚弱高齢者のための認知症予防ケアプログラムの試みと評価 : 試行的研究(地域看護活動報告)

目的:本研究は,地域虚弱高齢者に適用できる認知症予防のためのケアプログラムを試行し評価することを目的とする.方法:要支援から要介護1に相当する高齢者16人(男性7人,女性9人,平均79.6歳)を対象に,知的活動を刺激するレクリエーションを中心とした2カ月間の1回2時間,4回のプログラムを実施した.プログラムの効果をみるために,介入前後に,抑うつの評価としてGDS,認知機能の評価としてMMSEとストループテストを聞き取り調査により測定した.結果:介入の結果,GDS得点は介入後に減少していたが,有意な変化は認めなかった.MMSE得点は介入後に有意な上昇を認め(p=0.002),MMSE下位尺度得点...

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Published in日本地域看護学会誌 Vol. 9; no. 2; pp. 87 - 92
Main Authors 大瀧, 貴子, 中村, 裕美子, 板東, 彩, 河野, あゆみ, 上田, 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 2007
Japan Academy of Community Health Nursing
Subjects
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ISSN1346-9657
2432-0803
DOI10.20746/jachn.9.2_87

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Summary:目的:本研究は,地域虚弱高齢者に適用できる認知症予防のためのケアプログラムを試行し評価することを目的とする.方法:要支援から要介護1に相当する高齢者16人(男性7人,女性9人,平均79.6歳)を対象に,知的活動を刺激するレクリエーションを中心とした2カ月間の1回2時間,4回のプログラムを実施した.プログラムの効果をみるために,介入前後に,抑うつの評価としてGDS,認知機能の評価としてMMSEとストループテストを聞き取り調査により測定した.結果:介入の結果,GDS得点は介入後に減少していたが,有意な変化は認めなかった.MMSE得点は介入後に有意な上昇を認め(p=0.002),MMSE下位尺度得点では,「見当識」のみ有意な上昇がみられた(p=0.03).ストループテストにおいては,介入前に制限時間60秒以内に回答できなかった3人が介入後に著しく改善した.性別・年齢別での介入の効果をみると,MMSE得点は男性群(p=0.03)と年齢の若い群(p=0.03)で有意に上昇した.考察・結論:地域虚弱高齢者を対象とした認知症予防ケアプログラムにより,MMSE得点の有意な上昇と,ストループテストの改善が認められ,認知機能を高める有効性が示唆された.今後,研究規模を拡大し,性別や年齢など対象の特性による効果の違いを検討することが必要である.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.9.2_87