整体医学からみた歩行障害と未病 長期観察から

1. はじめに これまで腰痛, 上下肢痛などの症状を患者が訴えると, 頸椎, 胸椎, 腰椎のX線写真を撮り, 骨の形態についてまずは検討する. その後, 鎮痛薬などによる治療を主にしながら, 骨変形のひどいものは手術などによる加療を行ってきている. それなりの効果はあるが, 時間が経つと再び症状を訴えてくる. 多くの患者は慢性化に至っている. 老化とともに骨の変化も進行するので, 訴えも新たに出てきているのかもしれない. しかし, 筆者らは, 変形性腰椎症や腰椎すべり症があって腰痛を訴えている患者に, 骨法整体医学による整体方法を施術し, 極めて良い効果をもたらし(患者からの訴え), さらには...

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Published in日本未病システム学会雑誌 Vol. 11; no. 1; pp. 97 - 100
Main Authors 金澤, 聡, 金澤, 武道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本未病システム学会 2005
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Summary:1. はじめに これまで腰痛, 上下肢痛などの症状を患者が訴えると, 頸椎, 胸椎, 腰椎のX線写真を撮り, 骨の形態についてまずは検討する. その後, 鎮痛薬などによる治療を主にしながら, 骨変形のひどいものは手術などによる加療を行ってきている. それなりの効果はあるが, 時間が経つと再び症状を訴えてくる. 多くの患者は慢性化に至っている. 老化とともに骨の変化も進行するので, 訴えも新たに出てきているのかもしれない. しかし, 筆者らは, 変形性腰椎症や腰椎すべり症があって腰痛を訴えている患者に, 骨法整体医学による整体方法を施術し, 極めて良い効果をもたらし(患者からの訴え), さらには足底偏位角1)を測定比較することにより, 客観的にその改善を認めている. 腰痛, 上下肢痛の原因として, 骨の変化は重要な要因ではあるが, 整体により筋肉や骨を正常な位置状態に補正することによる疼痛, 歩行障害の軽減は, これら疾患の疼痛の要因として骨筋肉の整体が重要であることを示している. さらに, 腰痛, 上下肢痛などの介入未病2)として, 骨筋肉の調節を考えなければならないことを示している.
ISSN:1347-5541
2185-2162
DOI:10.11288/mibyou1998.11.97