慢性腰痛症患者に対する腰痛体操後の即時的変化と大腿筋膜張筋,ハムストリングスへのダイレクト・ストレッチング後の即時的変化 シングルケースデザインによる検討

〔目的〕本研究の目的は,慢性腰痛症患者の1症例を対象に腰痛体操後の即時的変化と大腿筋膜張筋とハムストリングスに対するダイレクト・ストレッチング後の即時的変化を検討することである.〔対象〕腰椎椎間関節性の慢性腰痛症と診断を受けた1症例(30歳,女性)とした.〔方法〕研究デザインはシングルケースデザインを用いた.デザインは無作為化比較試験にて効果が認められた運動療法を実施するA期(第一基礎有意水準期),大腿筋膜張筋とハムストリングスに対してダイレクト・ストレッチングを実施するB期(操作導入期)で構成するAB型とした.Visual Analog Scale (VAS),指床間距離 (Finger F...

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Published in理学療法科学 Vol. 26; no. 5; pp. 651 - 654
Main Authors 大槻, 桂右, 石倉, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2011
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.26.651

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Summary:〔目的〕本研究の目的は,慢性腰痛症患者の1症例を対象に腰痛体操後の即時的変化と大腿筋膜張筋とハムストリングスに対するダイレクト・ストレッチング後の即時的変化を検討することである.〔対象〕腰椎椎間関節性の慢性腰痛症と診断を受けた1症例(30歳,女性)とした.〔方法〕研究デザインはシングルケースデザインを用いた.デザインは無作為化比較試験にて効果が認められた運動療法を実施するA期(第一基礎有意水準期),大腿筋膜張筋とハムストリングスに対してダイレクト・ストレッチングを実施するB期(操作導入期)で構成するAB型とした.Visual Analog Scale (VAS),指床間距離 (Finger Floor Distance; FFD),骨盤最大前傾角,骨盤最大後傾角,骨盤可動範囲,腰椎後弯域(posterior lumbar flexibility; PLF)の6つの評価項目を,各期の介入後に測定した.6つの評価項目の測定の順番はランダムに実施した.B期のVAS,FFD,骨盤最大前傾角,骨盤最大後傾角,骨盤可動範囲,PLFの変化を二項検定を用いて分析した.〔結果〕B期のVAS,FFD,骨盤最大前傾角,骨盤最大後傾角,骨盤可動範囲,PLEはA期と比較して,有意な改善が認められた.〔結語〕大腿筋膜張筋とハムストリングスに対するダイレクト・ストレッチングが慢性の椎間関節性腰痛症に対して即時的な変化を起こす可能性が示唆された.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.26.651