医療的ニードのある児童生徒への支援に関する研究

健康管理に特別な配慮や援助を要する児童生徒は増加する傾向にある。本研究の目的は、医療的ニードのある児童生徒に対する支援の現状を把握すること、養護教諭が医療的ケアについてどのように考えているかを明らかにすることである。S県の養護教諭を対象に質問紙調査を行い、回答のあった492名のデータを集計分析した。結果:1)養護教諭養成における教育背景、医療的ケア実施に対する考えは多様であった。2)医療的ケアを必要とする児童生徒は、通常校にも多数在籍していた。3)養護教諭は、家庭との連携はできているが、医療機関との連携は不十分と認識していた。4)医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍している学校の養護教諭は、非...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 32; no. 1; pp. 1_79 - 1_89
Main Authors 大串, 靖子, 河原, 加代子, 榎本, 聖子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.04.2009
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20081106004

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Summary:健康管理に特別な配慮や援助を要する児童生徒は増加する傾向にある。本研究の目的は、医療的ニードのある児童生徒に対する支援の現状を把握すること、養護教諭が医療的ケアについてどのように考えているかを明らかにすることである。S県の養護教諭を対象に質問紙調査を行い、回答のあった492名のデータを集計分析した。結果:1)養護教諭養成における教育背景、医療的ケア実施に対する考えは多様であった。2)医療的ケアを必要とする児童生徒は、通常校にも多数在籍していた。3)養護教諭は、家庭との連携はできているが、医療機関との連携は不十分と認識していた。4)医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍している学校の養護教諭は、非在籍校に比べ、様々な方策が必要と考えていた。5)守秘義務と個人情報保護が医療機関との連携を妨げる一因となっているため、学校における情報管理指針の明示と学校医の介入によって連携が促進される可能性がある。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20081106004