Enterococcus faecalisによる急性腎盂腎炎・敗血症に化膿性脊椎炎と深頸部膿瘍を合併した1例

77歳男性。右頸部から右肩にかけての痛みを訴え救急要請した。発熱およびCRPの上昇, 単純CTで左水腎症と腎周囲脂肪織混濁を認め左閉塞性腎盂腎炎の診断で緊急尿管ステント留置を行い, その後救命救急センターへ入院となった。第5病日になっても発熱やCRP高値が持続し, 加えて右頸部の疼痛の増悪と異常知覚を認めたため頸胸部の脊椎脊髄MRIを行った。第2-5胸椎椎体にSTIRで高信号, T1強調で低信号を示す領域を認め化膿性脊椎炎の診断となった。抗菌薬治療を続けたが右頸部の疼痛とCRP高値が持続していたため第8病日に超音波検査およびCTを施行した。小気泡が散在する膿瘍形成が認められ, 右深頸部膿瘍と診...

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Published in日本救急医学会関東地方会雑誌 Vol. 39; no. 3; pp. 384 - 386
Main Authors 井上, 悠太郎, 萩原, 章嘉, 佐藤, 琢紀, 高谷, 紗帆, 山本, 真貴子, 木村, 昭夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本救急医学会関東地方会 31.01.2019
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Summary:77歳男性。右頸部から右肩にかけての痛みを訴え救急要請した。発熱およびCRPの上昇, 単純CTで左水腎症と腎周囲脂肪織混濁を認め左閉塞性腎盂腎炎の診断で緊急尿管ステント留置を行い, その後救命救急センターへ入院となった。第5病日になっても発熱やCRP高値が持続し, 加えて右頸部の疼痛の増悪と異常知覚を認めたため頸胸部の脊椎脊髄MRIを行った。第2-5胸椎椎体にSTIRで高信号, T1強調で低信号を示す領域を認め化膿性脊椎炎の診断となった。抗菌薬治療を続けたが右頸部の疼痛とCRP高値が持続していたため第8病日に超音波検査およびCTを施行した。小気泡が散在する膿瘍形成が認められ, 右深頸部膿瘍と診断した。切開排膿を行い, 連日創部の洗浄と抗菌薬投与を続け治癒に至った。急性腎盂腎炎に化膿性脊椎炎を合併した報告は散見されるが深頸部膿瘍を合併した報告例は少ない。ここに, 今回我々が経験した症例を報告する。
ISSN:0287-301X
2434-2580
DOI:10.24697/jaamkanto.39.3_384