幽門側胃切除術後の食事摂取量をセルフコントロールするための指標の検討

本研究は,幽門側胃切除術後患者が,現在の胃の状態を評価し自律的に摂取量を調整するための指標を開発することを目的とした。   対象者は30名で,指標には,昼食前後の体重測定値・上腹部感覚の程度・不快症状を自己記録するフィードバック指標と,症状がなければ摂取量を50ℊ増加させる教示の弁別指標を用いた。手術前3日間と術後経口摂取開始から退院まで,毎日の昼食時にフィードバック指標が測定され,自己記録がなされた。弁別指標は,術後食事開始時と退院時に教示された。   その結果,フィードバック指標を使用して自律的に摂取量を調整した対象者は73%であった。そのうち36%の対象者が,弁別指標を用いて摂取量を漸次...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 27; no. 2; pp. 2_59 - 2_66
Main Authors 深田, 順子, 中島, 佳緒里, 尾沼, 奈緒美, 鎌倉, やよい, 小野田, 嘉子, 金田, 久江, 中村, 直子, 山口, 真澄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.06.2004
Subjects
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20040202005

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Summary:本研究は,幽門側胃切除術後患者が,現在の胃の状態を評価し自律的に摂取量を調整するための指標を開発することを目的とした。   対象者は30名で,指標には,昼食前後の体重測定値・上腹部感覚の程度・不快症状を自己記録するフィードバック指標と,症状がなければ摂取量を50ℊ増加させる教示の弁別指標を用いた。手術前3日間と術後経口摂取開始から退院まで,毎日の昼食時にフィードバック指標が測定され,自己記録がなされた。弁別指標は,術後食事開始時と退院時に教示された。   その結果,フィードバック指標を使用して自律的に摂取量を調整した対象者は73%であった。そのうち36%の対象者が,弁別指標を用いて摂取量を漸次増加させた。以上から,フィードバック指標は,食事摂取量を自律的に調整するための指標となりうること,摂取量を増加させるために弁別指標が必要であることが示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20040202005