介護老人保健施設におけるリハビリテーションの利用者満足度に関連する要因の検討

目的 : 介護老人保健施設の入所者が受けているリハビリテーションに満足しているかどうかは不明である. 本研究の目的は, 施設サービス満足度と入所者が介護老人保健施設で受けているリハビリテーションの顧客満足度との関係を検討することであった. また, リハビリテーションに対する顧客満足度に関連する要因も検討した. 方法 : 19の介護老人保健施設に入所している100名の入所者がこの研究に参加した. 入所者からの同意を得た後, 我々は, 施設サービス満足度, リハビリテーションに対する顧客満足度, そして, 老年期うつ病評価尺度 (GDS) 等を使用した半構造化面接を実施した. 入所者の特性等は,...

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Published in日本プライマリ・ケア連合学会誌 Vol. 37; no. 4; pp. 324 - 332
Main Authors 稲田, 晴彦, 柳, 久子, 坂本, 晴美, 高田, 祐, 奥野, 純子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会 2014
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ISSN2185-2928
2187-2791
DOI10.14442/generalist.37.324

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Summary:目的 : 介護老人保健施設の入所者が受けているリハビリテーションに満足しているかどうかは不明である. 本研究の目的は, 施設サービス満足度と入所者が介護老人保健施設で受けているリハビリテーションの顧客満足度との関係を検討することであった. また, リハビリテーションに対する顧客満足度に関連する要因も検討した. 方法 : 19の介護老人保健施設に入所している100名の入所者がこの研究に参加した. 入所者からの同意を得た後, 我々は, 施設サービス満足度, リハビリテーションに対する顧客満足度, そして, 老年期うつ病評価尺度 (GDS) 等を使用した半構造化面接を実施した. 入所者の特性等は, 調査した施設リハ職員に自記式調査を行った. 統計分析は, Spearmanの順位相関検定, 重回帰分析を用いた. 結果 : 対象者の67%が女性で, 平均年齢 (±SD) は78.2±10.4歳であった. 重回帰分析では, 施設サービス満足度は, 「リハビリテーションに対する顧客満足度」 (β=.232, P<0.05) と関連していたことが明らかになった. その他, 「女性」 (β=.198, P<0.05) , 「支援相談員数」 (β=.269, P<0.01) , 「GDS」得点 (β=-.291, P<0.01) と有意に関連があった. リハビリテーションに対する顧客満足度は, 「年齢」 (β=-.296, P<0.01) , 「BI」 (β=.261, P<0.01) , 「リハビリテーション時間への満足感」 (β=.254, P<0.01) , 「訓練環境への満足感」 (β=.206, P<0.05) , 「排泄動作訓練」 (β=.210, P<0.05) , 「入浴動作訓練」 (β=-.252, P<0.01) , 「GDS」得点 (β=-.258, p<0.01) と有意に関連があった. 結論 : リハビリテーション顧客満足度が介護老人保健施設における施設サービスの満足度と関連していた. これらの結果から, リハビリテーションは, 介護老人保健施設で重要なサービスであることを示唆した. 介護老人保健施設では, リハビリテーションの顧客満足度を向上させるために重要であったリハビリテーション時間の十分な量の供給やリハビリテーションの訓練環境の整備が重要であると考えられた.
ISSN:2185-2928
2187-2791
DOI:10.14442/generalist.37.324