2型糖尿病患者に対するトランスセオレティカルモデルに基づく栄養指導効果:栄養指導頻度と関連諸要因間の構造

2型糖尿病患者に対する管理栄養士による栄養指導は,頻度(回数)依存的にHbA1c値減少効果を高め,その効果には食行動変容ステージや自己効力感の高まりが影響している。罹病期間は負に影響するが,栄養指導頻度を高めることで負の影響を小さくできることを確認した。さらに,2型糖尿病患者に対するトランスセオレティカルモデル(TTM)に基づく一層効果的な栄養指導法を導くことを目的として,HbA1c値減少に対する栄養指導頻度と糖尿病罹病期間,食行動変容ステージと自己効力感得点などの栄養指導効果に関連する諸要因間の構造を明らかにするためにパス解析を行った。その結果,糖尿病罹病期間,指導開始時HbA1c値,指導開...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本健康医学会雑誌 Vol. 26; no. 1; pp. 23 - 35
Main Authors 米代, 武司, 武藏, 学, 清水, 真理, 石川, 祐一, 中川, 幸恵, 森谷, 絜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康医学会 30.04.2017
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1343-0025
2423-9828
DOI10.20685/kenkouigaku.26.1_23

Cover

More Information
Summary:2型糖尿病患者に対する管理栄養士による栄養指導は,頻度(回数)依存的にHbA1c値減少効果を高め,その効果には食行動変容ステージや自己効力感の高まりが影響している。罹病期間は負に影響するが,栄養指導頻度を高めることで負の影響を小さくできることを確認した。さらに,2型糖尿病患者に対するトランスセオレティカルモデル(TTM)に基づく一層効果的な栄養指導法を導くことを目的として,HbA1c値減少に対する栄養指導頻度と糖尿病罹病期間,食行動変容ステージと自己効力感得点などの栄養指導効果に関連する諸要因間の構造を明らかにするためにパス解析を行った。その結果,糖尿病罹病期間,指導開始時HbA1c値,指導開始時年齢が直接または間接的にHbA1c値減少に負に影響することが示された。対照的に,TTMに基づいた栄養指導は頻度を増やすことで患者の自己効力感を高め,行動変容を促し,HbA1c値減少効果を持つことが確認された。自己効力感を高めるためには,食行動変容に加えて糖尿病に関する知識の習得や運動行動の実践を同時に行うことが一層効果的であることが判明した。
ISSN:1343-0025
2423-9828
DOI:10.20685/kenkouigaku.26.1_23