脳機能賦活運動“スクエアステップ”が地域在住女性高齢者の認知機能に与える影響―介入前の認知機能水準および年齢に着目して
目的:介入前の認知機能水準および年齢が,運動を中心とした介入に伴う女性高齢者の認知機能の変化に及ぼす影響を検討する.方法:対象者は介護予防運動教室に参加した地域在住女性高齢者88名(70.5±4.2歳).脳機能賦活運動:Square-Stepping Exercise(スクエアステップ:SSE)を主とした週1回,120分間,全11回の運動介入を実施した.介入前後にはファイブ・コグ検査をおこない,当該検査の5要素合計得点(認知機能スコア)を認知機能と定義した.介入前後の認知機能の差(Δ認知機能:介入後-介入前)を算出した.年齢は2群(70歳未満vs. 70歳以上)に分類した.介入前の認知機能水準...
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Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 52; no. 2; pp. 162 - 169 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年医学会
25.04.2015
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Subjects | |
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ISSN | 0300-9173 |
DOI | 10.3143/geriatrics.52.162 |
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Summary: | 目的:介入前の認知機能水準および年齢が,運動を中心とした介入に伴う女性高齢者の認知機能の変化に及ぼす影響を検討する.方法:対象者は介護予防運動教室に参加した地域在住女性高齢者88名(70.5±4.2歳).脳機能賦活運動:Square-Stepping Exercise(スクエアステップ:SSE)を主とした週1回,120分間,全11回の運動介入を実施した.介入前後にはファイブ・コグ検査をおこない,当該検査の5要素合計得点(認知機能スコア)を認知機能と定義した.介入前後の認知機能の差(Δ認知機能:介入後-介入前)を算出した.年齢は2群(70歳未満vs. 70歳以上)に分類した.介入前の認知機能水準により2群(上位群vs.下位群)を設定し,2要因分散分析を用いてΔ認知機能を比較した.結果:4群全てにおいて介入前後での認知機能スコアの有意な向上が確認された.年齢×介入前の認知機能における有意な交互作用および年齢による有意な主効果はみとめられなかったが,介入前の認知機能(P=0.007, η2=0.08)において有意な主効果がみとめられた.結論:Square-Stepping Exerciseを主とした運動介入によって認知機能の向上がみられた.介入前の認知機能水準が低い者ほど認知機能が向上することが示唆された.認知機能の向上には,介入前の認知機能水準の方が年齢よりも大きく影響する可能性がある. |
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ISSN: | 0300-9173 |
DOI: | 10.3143/geriatrics.52.162 |