Retained Products of Conception に対する漢方薬の有効性の検討

流産後・分娩後の出血の原因として Retained Products of Conception(以下 RPOC)がある。大量出血した場合,子宮動脈塞栓術後子宮鏡下手術が有効である。出血が少ない場合は,自然排出消失を期待し経過観察する。この度,妊娠13週6日に自然破水から進行流産後に胎盤遺残となった症例と妊娠12週6日に胎児奇形で人工妊娠中絶後に胎盤遺残となった症例に,それぞれ桂枝茯苓丸を投与し自然消失した自験例2例と過去に RPOC に対し漢方薬を投与した本邦における11例の報告例を加えて検討した。13例中12例は有効で,有効例の漢方内服期間は,中央値26.5日(7~84日)であった。待機療...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 75; no. 4; pp. 304 - 308
Main Authors 根津 優子, 中村 祐子, 奥田 博之, 徳毛 敬三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 2024
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ISSN0287-4857
1882-756X
DOI10.3937/kampomed.75.304

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Summary:流産後・分娩後の出血の原因として Retained Products of Conception(以下 RPOC)がある。大量出血した場合,子宮動脈塞栓術後子宮鏡下手術が有効である。出血が少ない場合は,自然排出消失を期待し経過観察する。この度,妊娠13週6日に自然破水から進行流産後に胎盤遺残となった症例と妊娠12週6日に胎児奇形で人工妊娠中絶後に胎盤遺残となった症例に,それぞれ桂枝茯苓丸を投与し自然消失した自験例2例と過去に RPOC に対し漢方薬を投与した本邦における11例の報告例を加えて検討した。13例中12例は有効で,有効例の漢方内服期間は,中央値26.5日(7~84日)であった。待機療法のみでは排出までに約3ヵ月要するが,漢方薬内服後は1ヵ月以内に排出消失しており,胎盤排出消失の促進に寄与する可能性があると考えられた。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.75.304