ブラインドテストによる速乾性手指消毒薬の健常皮膚に対する影響の検討
速乾性手指消毒薬を用いた手指消毒を毎日継続して行なうには, 手荒れの少ない製剤が望まれる. そこで, 2種類の速乾性手指消毒薬, グルコン酸クロルヘキシジンアルコール製剤 [SWK] および塩化ベンザルコニウム・エタノール液 [RBN] の皮膚に対する作用を比較検討した. 両腕の前腕内側に, どちらの薬剤かわからならいように配布された各薬剤を, 23名の対象者に2週間塗布してもらった. 使用感については, SWKがよいと答えた者が11名, RBNがよいと答えた者が10名とほぼ同数で, 自覚症状 (刺激性, 発赤, 掻痒感など) を訴えた者が, SWKで6名, RBNで8名存在し, RBNを使用...
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Published in | 環境感染 Vol. 20; no. 4; pp. 249 - 253 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本環境感染学会
2005
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Subjects | |
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ISSN | 0918-3337 1884-2429 |
DOI | 10.11550/jsei1986.20.249 |
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Summary: | 速乾性手指消毒薬を用いた手指消毒を毎日継続して行なうには, 手荒れの少ない製剤が望まれる. そこで, 2種類の速乾性手指消毒薬, グルコン酸クロルヘキシジンアルコール製剤 [SWK] および塩化ベンザルコニウム・エタノール液 [RBN] の皮膚に対する作用を比較検討した. 両腕の前腕内側に, どちらの薬剤かわからならいように配布された各薬剤を, 23名の対象者に2週間塗布してもらった. 使用感については, SWKがよいと答えた者が11名, RBNがよいと答えた者が10名とほぼ同数で, 自覚症状 (刺激性, 発赤, 掻痒感など) を訴えた者が, SWKで6名, RBNで8名存在し, RBNを使用した群において, 自覚症状により試験を中止せざるを得なくなった者が2名存在した. 角質表層の水分量の指標となる皮膚表面コンダクタンス (SSC) および角質層のバリアー機能をみる指標となる経皮水分喪失量 (TWL) についての, 試験終了時と開始時の差 (ΔSSCおよびΔTWL) の検討では, ΔSSCではSWKが有意に優れた結果となったが, ΔTWLでは有意な差を認めなかった. 以上より, 11月~12月にかけ, SWKおよびRBNを使用した際の皮膚の影響について, 使用感や角質層のバリアー機能保持には差を認めないが, 皮膚角質表層水分量の保持の面ではSWKの方が優れているという結果が得られた. |
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ISSN: | 0918-3337 1884-2429 |
DOI: | 10.11550/jsei1986.20.249 |