拡張型心筋症例における持続性心室頻拍予知に対する加算平均心電図の有用性―Spectral turbulence analysis法および時系列解析法による比較検討
拡張型心筋症例の持続性心室頻拍 (SVT) 発生予知に対する加算平均心電図speotral turbulence analysis (STA) 法と時系列解析 (TD) 法の有用性を比較検討した.対象を標準12誘導心電図QRS幅により120msec未満の正常幅例と心室内伝導障害例に分け, STA法とTD法の各指標およびSTA・Score法とTD・既存法のSVT既往の有無に対する検出能力を調べた.STA法では心室内伝導障害例の1指標を除く他の指標およびScore法ではSVT既往の有無を分別できなかった.TD法では正常幅例に対し有用な感度と特異性を認め, 心室内伝導障害例に対しては既存法は良好であ...
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Published in | 心電図 Vol. 17; no. 6; pp. 701 - 710 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
1997
日本心電学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.17.701 |
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Summary: | 拡張型心筋症例の持続性心室頻拍 (SVT) 発生予知に対する加算平均心電図speotral turbulence analysis (STA) 法と時系列解析 (TD) 法の有用性を比較検討した.対象を標準12誘導心電図QRS幅により120msec未満の正常幅例と心室内伝導障害例に分け, STA法とTD法の各指標およびSTA・Score法とTD・既存法のSVT既往の有無に対する検出能力を調べた.STA法では心室内伝導障害例の1指標を除く他の指標およびScore法ではSVT既往の有無を分別できなかった.TD法では正常幅例に対し有用な感度と特異性を認め, 心室内伝導障害例に対しては既存法は良好であったが, 単独指標でSVT既往の有無を分別できなかった. 以上より, 拡張型心筋症例におけるSVT発生予知に対する加算平均心電図の有用性はSTA法では心室内伝導障害の有無に関わらす認められず, TD法では正常幅例に対し有用性が期待されたが, 心室内伝導障害例に対してはなお慎重な検討が必要と考えられた. |
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ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.17.701 |