甲状腺乳頭癌外側区域リンパ節転移例の検討

はじめに:初診時に外側区域リンパ節転移を認めた甲状腺乳頭癌症例について,主に頸部再発について検討した。対象:2003年11月から2013年4月までに当科で初回手術を施行した甲状腺乳頭癌症例のうち,初診時に外側区域リンパ節転移を認めた58例。結果:頸部再発は15例(25.9%)で認め,5年制御率は82.0%であった。最終転帰は原病死3例,担癌他病死2例,担癌生存9例であった。最終的にN再発が残存している症例は6例であった。そのうち再手術にても完全切除できず制御困難である症例は1例であった。残りの5例については,進行した多臓器遠隔転移を認めたため経過観察が4例,他疾患を伴い,頸部再発は予後に関係な...

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Published in日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 32; no. 4; pp. 280 - 284
Main Authors 吉田, 尚生, 渡邉, 佳紀, 山田, 光一郎, 田中, 信三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会 2015
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ISSN2186-9545
DOI10.11226/jaesjsts.32.4_280

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Summary:はじめに:初診時に外側区域リンパ節転移を認めた甲状腺乳頭癌症例について,主に頸部再発について検討した。対象:2003年11月から2013年4月までに当科で初回手術を施行した甲状腺乳頭癌症例のうち,初診時に外側区域リンパ節転移を認めた58例。結果:頸部再発は15例(25.9%)で認め,5年制御率は82.0%であった。最終転帰は原病死3例,担癌他病死2例,担癌生存9例であった。最終的にN再発が残存している症例は6例であった。そのうち再手術にても完全切除できず制御困難である症例は1例であった。残りの5例については,進行した多臓器遠隔転移を認めたため経過観察が4例,他疾患を伴い,頸部再発は予後に関係ないため経過観察が1例であった。結論:外側区域リンパ節転移を伴う甲状腺乳頭癌は,頸部再発の頻度が高いものの,再手術による制御は比較的良好であることが示唆された。
ISSN:2186-9545
DOI:10.11226/jaesjsts.32.4_280