TAE・SJカテーテル留置にて保存的治療に努めたが,腎全摘出術に至った腎損傷Ⅲb型の1例

20歳の男性.バイク走行中に転倒,電柱に激突し救急搬送された.左側腹部に打撲痕・圧痛を認め,初期評価で心拍数:136/分・血圧:66/34mmHgであり,FASTで脾周囲の液体貯留が確認された.2次評価で実施した造影CT検査で,左腎損傷Ⅲb型・動脈相で造影剤の漏出を認め,左腎損傷Ⅲb型・出血性ショックと診断,同日にTranscatheter Arterial Embolization(以下TAE)で止血した.受傷3日目に腹痛・貧血の進行があり再度動脈相で造影剤の漏出と尿漏を認めたため,TAE・Single Jカテーテル(以下SJ)留置を行った.経過良好であり同14日目にSJカテーテルを抜去した...

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Published in日本外傷学会雑誌 Vol. 29; no. 4; pp. 385 - 388
Main Authors 坂田, 寛之, 山田, 太平, 岡本, 彩那, 松田, 健一, 中尾, 篤典, 小谷, 穣治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 2015
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Summary:20歳の男性.バイク走行中に転倒,電柱に激突し救急搬送された.左側腹部に打撲痕・圧痛を認め,初期評価で心拍数:136/分・血圧:66/34mmHgであり,FASTで脾周囲の液体貯留が確認された.2次評価で実施した造影CT検査で,左腎損傷Ⅲb型・動脈相で造影剤の漏出を認め,左腎損傷Ⅲb型・出血性ショックと診断,同日にTranscatheter Arterial Embolization(以下TAE)で止血した.受傷3日目に腹痛・貧血の進行があり再度動脈相で造影剤の漏出と尿漏を認めたため,TAE・Single Jカテーテル(以下SJ)留置を行った.経過良好であり同14日目にSJカテーテルを抜去したが,同16日目の造影CT検査で尿漏を認め,同20日目に腹痛の増悪と尿漏の増悪を認めたことから保存的治療を断念し,同21日目に左腎全摘出術に至った.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.29.385