ラットに対するカノーラ油および水素添加大豆油の有害作用と油中の微量因子 ジヒドロビタミンK1様物質の関与の可能性
「1. はじめに(背景)」カノーラ油をはじめとするいくつかの植物油と水素添加大豆油の摂取によって脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)の生存日数が短縮する. (以下の記載を含め, 大豆油を対照としている. 国内のマウス・ラット用標準飼料に配合される植物油は大豆油である). これを報じた奥山らの研究結果1,2)を追認するため, 財団法人食品薬品安全センター秦野研究所で厚生科学研究費による実験を始めたのは1994年であった. この仕事は1998年まで続き, その間, 特にカノーラ油に関しては当時「奥山問題」と呼ばれたこの報告にどのように対応するかが, 二度にわたり開催された日加合同「なたね...
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Published in | 脂質栄養学 Vol. 20; no. 1; pp. 9 - 22 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脂質栄養学会
2011
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Subjects | |
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ISSN | 1343-4594 1883-2237 |
DOI | 10.4010/jln.20.9 |
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Summary: | 「1. はじめに(背景)」カノーラ油をはじめとするいくつかの植物油と水素添加大豆油の摂取によって脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)の生存日数が短縮する. (以下の記載を含め, 大豆油を対照としている. 国内のマウス・ラット用標準飼料に配合される植物油は大豆油である). これを報じた奥山らの研究結果1,2)を追認するため, 財団法人食品薬品安全センター秦野研究所で厚生科学研究費による実験を始めたのは1994年であった. この仕事は1998年まで続き, その間, 特にカノーラ油に関しては当時「奥山問題」と呼ばれたこの報告にどのように対応するかが, 二度にわたり開催された日加合同「なたね油の栄養問題の検討会」(奥山教授はメンバーでなかった)で話し合われた. そこで市場から撤退した場合の経済的損失の試算などが(その必要はないとしながらも)話題になったことは, なたね油の有害性への懸念が常にどこかにあったのではないかと疑わせる. |
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ISSN: | 1343-4594 1883-2237 |
DOI: | 10.4010/jln.20.9 |