整形外科病棟における熟練看護師の転倒予防アセスメント・対策の分析――下肢運動器障害をもつ認知機能低下の患者に焦点を当てて

本研究は,整形外科病棟に勤務する熟練看護師を対象に,下肢運動器障害をもつ認知機能低下の患者に対する転倒予防アセスメント及び対策の実際を明らかにすることを目的に行った.A病院整形外科病棟経験5年以上の看護師4名に,半構成的面接を行い,質的に分析した.転倒予防アセスメントでは,【一人で動く可能性を予測する】【下肢の症状や運動機能,疾患,内服状況を確認する】【認知機能の査定,再査定を行う】【医師の安静度の指示と患者の現状を照合する】【経験で掴んだ転倒しやすい条件を活用する】【患者の人となり,反応を掴む】の6つのカテゴリー,対策では,【生活動線の整備】【患者の身体活動への対策】【患者の認知機能に合わせ...

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Published in日本運動器看護学会誌 Vol. 20; pp. 75 - 82
Main Authors 下田, 梨奈, 穴井, 悠華, 後藤, 沙耶
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本運動器看護学会 28.02.2025
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ISSN2186-635X
2435-001X
DOI10.34324/jsmn.20.0_75

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Summary:本研究は,整形外科病棟に勤務する熟練看護師を対象に,下肢運動器障害をもつ認知機能低下の患者に対する転倒予防アセスメント及び対策の実際を明らかにすることを目的に行った.A病院整形外科病棟経験5年以上の看護師4名に,半構成的面接を行い,質的に分析した.転倒予防アセスメントでは,【一人で動く可能性を予測する】【下肢の症状や運動機能,疾患,内服状況を確認する】【認知機能の査定,再査定を行う】【医師の安静度の指示と患者の現状を照合する】【経験で掴んだ転倒しやすい条件を活用する】【患者の人となり,反応を掴む】の6つのカテゴリー,対策では,【生活動線の整備】【患者の身体活動への対策】【患者の認知機能に合わせた説明】【心理面への配慮】【同僚,他職種との協調】の5つのカテゴリーが生成された.看護師は,患者が一人で動く可能性や患者の認知機能及び下肢の症状等を重視したアセスメントを行い,対策では,先回りの対策や患者の認知機能に合わせた説明を行い,患者を不安にさせないように努めていた.
ISSN:2186-635X
2435-001X
DOI:10.34324/jsmn.20.0_75