特異な膵胆管合流異常を呈した胆道癌の2例

今回,われわれは特異な膵胆管合流異常を呈した胆道癌の2例を経験したので報告する. 症例1 は3 8 歳の女性で, 心窩部痛があり黄疸が出現し来院. E R C P にて膵胆管合流異常に総胆管癌を合併したものと診断され,ERBDが施行された.血管造影では門脈に腫瘍浸潤を認め,胆管空腸吻合術が施行された.胆嚢底部にも腫瘤があり,Adenoca.tubulareと診断された.症例2は50歳の女性で健診にて肝機能異常を指摘され,近医にて腹部エコーをうけ, 胆嚢腫瘤を指摘され来院. E R C P にて膵胆管合流異常を認め, 胆嚢体底部に腫瘤による陰影欠損があり,胆嚢癌と診断された.胆嚢摘出術が施行され...

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Published in胆道 Vol. 1; no. 3; pp. 454 - 461
Main Authors 溝内, 十郎, 橋本, 修治, 山口, 淳正, 美園, 俊明, 迫田, 晃郎, 渋江, 正, 尾田, 一郎, 田中, 啓三, 田畑, 峯男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1987
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.1.3_454

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Summary:今回,われわれは特異な膵胆管合流異常を呈した胆道癌の2例を経験したので報告する. 症例1 は3 8 歳の女性で, 心窩部痛があり黄疸が出現し来院. E R C P にて膵胆管合流異常に総胆管癌を合併したものと診断され,ERBDが施行された.血管造影では門脈に腫瘍浸潤を認め,胆管空腸吻合術が施行された.胆嚢底部にも腫瘤があり,Adenoca.tubulareと診断された.症例2は50歳の女性で健診にて肝機能異常を指摘され,近医にて腹部エコーをうけ, 胆嚢腫瘤を指摘され来院. E R C P にて膵胆管合流異常を認め, 胆嚢体底部に腫瘤による陰影欠損があり,胆嚢癌と診断された.胆嚢摘出術が施行され,胆嚢体底部の腫瘍はPapillary adenoca.と診断された.腫瘍細胞は粘膜内に限局していた. 2例ともに,中村の重複合流型,永川の交通枝形成型に分類され,このような合流異常例に癌を合併し,さらにそのうちの1例は粘膜内癌であり,稀な症例と思われた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.1.3_454