間歇性跛行患者における日常運動状況の検討

【目的】間歇性跛行(IC)の治療目的は『肢機能の回復』にあることはいうまでもないが,治療後に回復した肢機能と日常運動について検討された報告はない.本研究では,IC患者の治療後の日常運動の状況について検討した.【対象と方法】日常運動に関するアンケート調査を98例に行い,回答のあった83例を対象とした.治療の内訳は薬物療法(M群)31例,運動療法(E群)6 例,血行再建(R群)46例であった.【結果】現在もICがあると答えたのはM群90%,E群100%,R群57%で,日常生活に支障があると答えたのはM群48%,E群17%,R群17%であった.自己申告による最大歩行距離(absolute walki...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 18; no. 2; pp. 43 - 48
Main Authors 山田, 哲也, 只腰, 雅夫, 折本, 有貴, 岩田, 博英, 二村, 泰弘, 杉本, 郁夫, 肥田, 典之, 太田, 敬, 石橋, 宏之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2009
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.18.43

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Summary:【目的】間歇性跛行(IC)の治療目的は『肢機能の回復』にあることはいうまでもないが,治療後に回復した肢機能と日常運動について検討された報告はない.本研究では,IC患者の治療後の日常運動の状況について検討した.【対象と方法】日常運動に関するアンケート調査を98例に行い,回答のあった83例を対象とした.治療の内訳は薬物療法(M群)31例,運動療法(E群)6 例,血行再建(R群)46例であった.【結果】現在もICがあると答えたのはM群90%,E群100%,R群57%で,日常生活に支障があると答えたのはM群48%,E群17%,R群17%であった.自己申告による最大歩行距離(absolute walking distance; AWD)の平均値はM群456m,E群717m,R群1195mと群間で差を認めたが,AWDに不満足と答えたのはM群77%,E群67%,R群65%と差を認めなかった.WIQのdistance scoreはM群45点,E群48点,R群67点であった.日常の「運動習慣がある」と答えたのはE群が83%,M群48%,R群39%で,血行再建術を行ったR群が最も少なかった.「運動習慣がある」38例中36例の運動は散歩が中心であり 1 日あたり30~60分間であった.「運動習慣がない」45例中15例は「その気がない」という理由であった.【結語】虚血改善により日常生活に支障がなくなっても,ICの残存に不満足な症例が多かった.ICに対する運動療法は術前のみならず術後も重要であることを認識し,幅広い啓蒙が必要である.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18.43