長時間ビデオ脳波モニタリング検査におけるてんかん発作捕捉

長時間ビデオ脳波モニタリング検査(long-term video-EEG monitoring; vEEG)は,脳波と映像を数日間同時記録する検査である。vEEGの有用性を検討するため,vEEGにおけるてんかん発作捕捉について後方視的に検討した。その結果,vEEGを実施した117件中56件(47.9%)で発作が捕捉され,捕捉率は発作頻度が高い症例や抗発作薬服用数が多い症例,知的障害を伴う症例で高かった。発作型は,全般起始発作23.4%,焦点起始発作62.6%,全般起始発作+焦点起始発作4.7%,起始不明発作3.7%,心因性非てんかん発作4.7%,全般起始発作+心因性非てんかん発作0.9%であっ...

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Published in医学検査 Vol. 74; no. 2; pp. 377 - 382
Main Authors 山本, 颯, 小岩井, 宏子, 飯村, 康司, 鈴木, 皓晴, 田部, 陽子, 脇田, 満, 近藤, 聡英, 竹村, 浩之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.04.2025
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.24-62

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Summary:長時間ビデオ脳波モニタリング検査(long-term video-EEG monitoring; vEEG)は,脳波と映像を数日間同時記録する検査である。vEEGの有用性を検討するため,vEEGにおけるてんかん発作捕捉について後方視的に検討した。その結果,vEEGを実施した117件中56件(47.9%)で発作が捕捉され,捕捉率は発作頻度が高い症例や抗発作薬服用数が多い症例,知的障害を伴う症例で高かった。発作型は,全般起始発作23.4%,焦点起始発作62.6%,全般起始発作+焦点起始発作4.7%,起始不明発作3.7%,心因性非てんかん発作4.7%,全般起始発作+心因性非てんかん発作0.9%であった。vEEG後,抗発作薬の調整は31件(26.5%)で行われ,うち12例で発作頻度が減少,変化が9例,不明が8例,継続調整中が2例であり,増加した症例はなかった。外科的治療は28件(23.9%)行われ,脳梁離断術5例,てんかん焦点切除術12例,迷走神経刺激療法10例,脳深部刺激療法予定1例であった。25件(21.4%)は経過観察,18件(15.4%)は経過不明,15件(12.8%)は定位的頭蓋内脳波による精査が必要と判断された。精査後7例にてんかん焦点切除術が行われ,切除不可能と判断されたのは1例,不明は7例であった。以上,vEEGは治療に難渋する症例の診断と治療に有用性を発揮すると考えられた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.24-62