誤嚥性肺炎患者における早期経口摂取の検討
【目的】誤嚥性肺炎患者に対して多職種協働での包括的摂食嚥下訓練を入院初期から行い食事開始早期化の効果を検証した。【対象および方法】誤嚥性肺炎にて入院後、嚥下訓練処方の時点で絶食であった65歳以上の患者139名を対象とした。2013年9月から翌年2月までの早期介入を行った87名(86.5歳±7.0歳)を早期群、2012年9月から翌年2月までの52名(85.6歳±7.2歳)を対照群とし、両群間で帰結を比較した。【結果】入院より食事開始までの日数(早期群3日/対照群5日・中央値)、抗菌薬継続日数(8日/11日・中央値)、院内肺炎再発率(6.9%/19.2%)は早期群が有意に少なかった。また、入院より...
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Published in | 日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 33; no. 5; pp. 1133 - 1138 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
2018
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Subjects | |
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ISSN | 2189-0161 2189-017X |
DOI | 10.11244/jspen.33.1133 |
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Summary: | 【目的】誤嚥性肺炎患者に対して多職種協働での包括的摂食嚥下訓練を入院初期から行い食事開始早期化の効果を検証した。【対象および方法】誤嚥性肺炎にて入院後、嚥下訓練処方の時点で絶食であった65歳以上の患者139名を対象とした。2013年9月から翌年2月までの早期介入を行った87名(86.5歳±7.0歳)を早期群、2012年9月から翌年2月までの52名(85.6歳±7.2歳)を対照群とし、両群間で帰結を比較した。【結果】入院より食事開始までの日数(早期群3日/対照群5日・中央値)、抗菌薬継続日数(8日/11日・中央値)、院内肺炎再発率(6.9%/19.2%)は早期群が有意に少なかった。また、入院より食事開始までの日数は、抗菌薬の使用短縮に関連する独立した関連因子であった(オッズ比0.96、95%信頼区間0.94-0.99、P=0.012)。【結論】誤嚥性肺炎患者に対する入院早期の食事開始は治療期間を短縮し、さらには院内肺炎を軽減する可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 2189-0161 2189-017X |
DOI: | 10.11244/jspen.33.1133 |