自動分析装置JCA-BM8040を用いたSP-D試薬の基礎的検討

肺サーファクタントタンパク質D(surfactant protein D; SP-D)は免疫学的測定法である酵素免疫測定法や化学発光酵素免疫測定法を用い測定されていたが,測定装置や測定試薬が限られていた。今回汎用自動分析装置にて測定可能となった試薬「ナノピアSP-D」について基礎的性能評価を行った。評価内容として,正確性,分析範囲,特異性,検体の保存安定性,対照法との比較を行い,いずれの項目においても良好な結果を得ることができた。検体の保存安定性は室温保存検体において1日目から10日目にかけて測定値の上昇を認めたがその詳細な原因は不明であったため,院内導入の際には採血してから迅速に測定を行うこ...

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Published in医学検査 Vol. 74; no. 2; pp. 340 - 346
Main Authors 立川, 将也, 菊地, 良介, 白上, 洋平, 石田, 秀和, 大倉, 宏之, 大島, 康平, 加藤, 洋平, 西村, 知
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.04.2025
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.24-78

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Summary:肺サーファクタントタンパク質D(surfactant protein D; SP-D)は免疫学的測定法である酵素免疫測定法や化学発光酵素免疫測定法を用い測定されていたが,測定装置や測定試薬が限られていた。今回汎用自動分析装置にて測定可能となった試薬「ナノピアSP-D」について基礎的性能評価を行った。評価内容として,正確性,分析範囲,特異性,検体の保存安定性,対照法との比較を行い,いずれの項目においても良好な結果を得ることができた。検体の保存安定性は室温保存検体において1日目から10日目にかけて測定値の上昇を認めたがその詳細な原因は不明であったため,院内導入の際には採血してから迅速に測定を行うことが重要と考えられた。対照法との比較では高値検体における測定値の偏りと,一部検体における対照法と測定値の乖離を認めたが,その原因として検体の保存状態の影響や偶発誤差などの可能性が考えられた。被検試薬の高感度な特性は肺胞蛋白症,間質性肺炎などの肺障害を早期発見することによる迅速な治療介入への貢献が期待される。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.24-78