水および気体試料中のN2, O2, Ar, CO2, CH4, CO, H2の同時分析:環境中のN2/Ar比変動の検出
環境中の主要気体を精密に測定する分析システムを製作した。このシステムは,3つの分離カラムと2つのTCD(熱伝導度検出器)ガスクロマトグラフを直列に連結したもので,水および気体試料中に存在するN2, O2, Ar, CO2, CH4, COおよびH2を同時測定できる。分析ラインには,シリンジ採取時の混入空気を除去して気体サンプルを正確に測定する特別な注入口を取り付けてある。大気と平衡にさせた水を用いたテストの結果から,本システムで測定される溶存ガス濃度が溶解度と大気中分圧から計算される理論値と一致することを確認した。環境中のガス組成が本法の検出気体でほぼ完全に説明されること,測定の結果えられるN...
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Published in | 陸水学雑誌 Vol. 59; no. 2; pp. 147 - 157 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本陸水学会
1998
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5104 1882-4897 |
DOI | 10.3739/rikusui.59.147 |
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Summary: | 環境中の主要気体を精密に測定する分析システムを製作した。このシステムは,3つの分離カラムと2つのTCD(熱伝導度検出器)ガスクロマトグラフを直列に連結したもので,水および気体試料中に存在するN2, O2, Ar, CO2, CH4, COおよびH2を同時測定できる。分析ラインには,シリンジ採取時の混入空気を除去して気体サンプルを正確に測定する特別な注入口を取り付けてある。大気と平衡にさせた水を用いたテストの結果から,本システムで測定される溶存ガス濃度が溶解度と大気中分圧から計算される理論値と一致することを確認した。環境中のガス組成が本法の検出気体でほぼ完全に説明されること,測定の結果えられるN2/Ar比が,自然界で行われるN2の生成(脱窒)あるいは消費(窒素固定)を評価する有効なパラメーターとなることを,地下水および湿原試料の測定データにより例示する。 |
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ISSN: | 0021-5104 1882-4897 |
DOI: | 10.3739/rikusui.59.147 |