事例共有とデータの後利用に配慮したインシデント報告システムの開発

医療安全のためには,職員によるインシデント・アクシデントの自発的な報告,報告に対する迅速な対応,事例の共有と分析が不可欠である.われわれは従来の紙ベースのインシデント報告システムをオンライン化するに際して,データベースとしての機能に加え,①職員の使い勝手のよい入力機能と検索機能・ウェブ上での事例共有機能,②リスクマネージャ等の医療安全活動を支援するための検索機能・「お気に入り」設定機能・メール自動通知機能・進捗管理・リアルタイム集計機能・データエクスポート機能(Microsoft Excel形式)が重要であると考えた.2006年5月よりインシデント報告システムの設計と実装を行い,着手後約3カ月...

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Published inJapan Journal of Medical Informatics Vol. 27; no. 2; pp. 205 - 210
Main Authors 塩田, 浩子, 松月, みどり, 藤川, 潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療情報学会 2007
Japan Association for Medical Informatics
Subjects
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ISSN0289-8055
2188-8469
DOI10.14948/jami.27.205

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Summary:医療安全のためには,職員によるインシデント・アクシデントの自発的な報告,報告に対する迅速な対応,事例の共有と分析が不可欠である.われわれは従来の紙ベースのインシデント報告システムをオンライン化するに際して,データベースとしての機能に加え,①職員の使い勝手のよい入力機能と検索機能・ウェブ上での事例共有機能,②リスクマネージャ等の医療安全活動を支援するための検索機能・「お気に入り」設定機能・メール自動通知機能・進捗管理・リアルタイム集計機能・データエクスポート機能(Microsoft Excel形式)が重要であると考えた.2006年5月よりインシデント報告システムの設計と実装を行い,着手後約3カ月で実稼働に至った.その結果,従来の紙ベースの報告書より情報量が大幅に増えたにもかかわらず,月1,000件前後の報告実績を維持し,報告への迅速な対応やデータの詳細な解析を可能とすることができた.本システムの事例共有機能とデータ後利用機能により,職員の意識づけと医療安全の改善が期待される.
ISSN:0289-8055
2188-8469
DOI:10.14948/jami.27.205