皮下注射生物学的製剤注射時の疼痛比較

目的:ゴリムマブ(GLM),アダリムマブ(ADA)およびエタネルセプト(ETN)皮下注射時の疼痛を,インフルエンザワクチン(Flu)接種時の疼痛と比較することにより数値化し,その数値を利用してバイオ製剤同士の疼痛を比較した. 対象・方法:対象はGLM群6例,ADA群5例,ETN群17例.当科外来において,Flu接種と同日にバイオ製剤の投与を行い,Flu接種時痛を1としてバイオ製剤の注射時痛が何倍(何割増)であったかを質問した.Fluの2倍程度痛みが強い場合を「2」,2割程度痛みが強い場合を「1.2」のように表現した.「薬液注入時痛」と「針刺入時痛」をわけて評価した. 結果:薬液注入時痛はADA...

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Published in臨床リウマチ Vol. 26; no. 2; pp. 126 - 129
Main Author 茂呂, 貴知
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床リウマチ学会 2014
The Japanese Society for Clinical Rheumatology and Related Research
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Summary:目的:ゴリムマブ(GLM),アダリムマブ(ADA)およびエタネルセプト(ETN)皮下注射時の疼痛を,インフルエンザワクチン(Flu)接種時の疼痛と比較することにより数値化し,その数値を利用してバイオ製剤同士の疼痛を比較した. 対象・方法:対象はGLM群6例,ADA群5例,ETN群17例.当科外来において,Flu接種と同日にバイオ製剤の投与を行い,Flu接種時痛を1としてバイオ製剤の注射時痛が何倍(何割増)であったかを質問した.Fluの2倍程度痛みが強い場合を「2」,2割程度痛みが強い場合を「1.2」のように表現した.「薬液注入時痛」と「針刺入時痛」をわけて評価した. 結果:薬液注入時痛はADA群平均6.10,ETN群平均2.21,GLM群平均1.30であった.ADA群が他の2群に対して有意差を持って薬液注入時痛が強かった.針刺入時痛はADA群とGLM群は平均1.00,ETN群は平均1.04であった.針刺入時痛は3製剤間に有意差はなかった. 結論:ADAの薬液注入時痛が強かった原因として,ADA薬液中にバッファーとしてクエン酸ナトリウムが含まれていること,ADA薬液量が0.8mlと他の2剤(0.5ml)よりも多いことなどが考えられた.
ISSN:0914-8760
2189-0595
DOI:10.14961/cra.26.126