針穿刺痛軽減を目的とした局所冷却パッド開発に向けた基礎検討
穿刺痛を軽減する目的で、尿素が水に溶解する時の吸熱反応を利用した局所冷却パッドの開発を目指している。腕ファントムに温水を循環させたモデルを用いて、局所冷却パッドの冷却効果と皮膚温が15~25℃の範囲にある持続時間について比較実験を行なった。水5mL、尿素3g、接触面積8cm2を基準とし、接触面積を2倍にした場合、接触面積は変えずに水10mL、尿素6gにした場合の3条件で比較した。実験の結果、基準条件では冷却2分後の温度が18.2℃で25℃以下の持続時間が70秒だったのに対し、接触面積を2倍にすると15.2℃まで降下するが、持続時間が73秒と変化が小さかった。一方、接触面積は変えずに水と尿素を2...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S193_2 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual57.S193_2 |
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Summary: | 穿刺痛を軽減する目的で、尿素が水に溶解する時の吸熱反応を利用した局所冷却パッドの開発を目指している。腕ファントムに温水を循環させたモデルを用いて、局所冷却パッドの冷却効果と皮膚温が15~25℃の範囲にある持続時間について比較実験を行なった。水5mL、尿素3g、接触面積8cm2を基準とし、接触面積を2倍にした場合、接触面積は変えずに水10mL、尿素6gにした場合の3条件で比較した。実験の結果、基準条件では冷却2分後の温度が18.2℃で25℃以下の持続時間が70秒だったのに対し、接触面積を2倍にすると15.2℃まで降下するが、持続時間が73秒と変化が小さかった。一方、接触面積は変えずに水と尿素を2倍に増やすと、15.7℃まで降下して持続時間が82秒に延長した。よって、必要な接触面積を確保しつつ、水と尿素の体積をできるだけ多くするのが、冷却効果が得られることが示された。今後は、混合方法を臨床現場で受け入れ可能な形で実現していくのが課題である。 |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual57.S193_2 |